関数\(y=f(x)\)について、\(x\)の値が\(a\)の場合、それに対応して定まる\(y\)の値を\(f(a)\)って表す。
これが関数の値のお話。
\(x=2\)のように、変数\(x\)の値が具体的に決まっていることもあれば、
\(1≦x≦3\)のように、変数\(x\)の値がある一定の範囲ということもある。
この変数の範囲を「定義域」「値域」という言葉を使って考える。

定義域と値域を考える中でさらに「変域」という言葉が出てくる。
この変域と定義域と値域について見ていく。

変域とは、変数のとりうる値の範囲のこと。
変数の領域で変域。

こんな感じのやつ。

関数\(y=f(x)\)において、\(x\)の変域を「定義域」って呼ぶ。

こんな感じ。
関数の定義域を示すとき、関数の式の後に( )を付けて「\(y=f(x)(a≦x≦b)\)」と表すことが多い。
上のグラフの関数でいうと、
\[y=x+3 (1≦x≦3)\]
こんな感じ。
関数\(y=f(x)\)の定義域は、特に指定とかがなければ\(f(x)\)の値が定まるような実数\(x\)の全体となる。例えば、関数\(y=x^2\)の定義域は実数全体、関数\(y=\sqrt{x}\)の定義域は\(x≧0\)って感じ。


こんな感じ。
関数の値域に最大の値があるとき「最大値」って呼ぶ。
また、関数の値域に最小の値があるとき「最小値」って呼ぶ。

こんな感じ。
値域を求めることができるからといって、必ず最大値・最小値があるとは限らない。例えば、\(y=x+3 (1\)<\(x\)<\(3)\)の値域は\(4\)<\(y\)<\(6\)と求めることができる。ここで、\(x\)が限りなく\(1\)に近づくとき、それに対応して\(y\)は限りなく\(4\)に近づくが、\(4\)になることはないため最小値はない。同様に、\(x\)が限りなく\(3\)に近づくとき、それに対応して\(y\)は限りなく\(6\)に近づくが、\(6\)になることはないため最大値はない。最大値・最小値がない場合は「最大値・最小値はない」って答える。
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定義域と値域、最大値と最小値の扱い方を、例題を解きながら確認する。

(1)\(y=x-3\)は、\(y\)切片\(-3\)、傾き\(1\)(右上がり)の直線。
\(x=0\)のとき、\(y=0-3=-3\)
\(x=2\)のとき、\(y=2-3=-1\)
\(y=x-3 (0≦x≦2)\)をグラフに表すと、

こんな感じ。
よって、
値域は \(-3≦y≦-1\)、
\(x=2\)で最大値\(-1\)、
\(x=0\)で最小値\(-3\)
これが答え。
(2)\(y=-2x+4\)は、\(y\)切片\(4\)、傾き\(-2\)(右下がり)の直線。
\(x=-1\)のとき、\(y=(-2)・(-1)+4=6\)
\(x=3\)のとき、\(y=(-2)・3+4=-2\)
\(y=-2x+4 (-1\)<\(x≦3)\)をグラフに表すと、

こんな感じ。
よって、
値域は \(-2≦y\)<\(6\)、
\(x=3\)で最小値\(-2\)、
最大値はない
これが答え。
「関数\(y=f(x)\)の最大値・最小値を求めよ」という問題で、文中に特に指示がなくても、慣習として最大値・最小値を与える\(x\)の値も示しておく。

関数\(y=ax+b\)のグラフは、傾きの符号によって「右上がり」「\(x\)軸に平行」「右下がり」のどれかになる。

つまり、\(a\)を「\(a\)>\(0\)」「\(a=0\)」「\(a\)<\(0\)」で場合分けして考えなきゃいけない。
[1] \(a\)>\(0\)の場合、\(x\)が増加すると\(y\)も増加する。
なので、
\(x=2\)のとき、\(y=2a+b=5\)・・・①
\(x=3\)のとき、\(y=3a+b=7\)・・・②
となる。

定数\(a,b\)の値を求めたいので、連立方程式を解く。

これは、\(a\)>\(0\)を満たす。
[2] \(a=0\)の場合、この関数は「\(y=b\)」と定数関数になる。
なので、値域は\(5≦y≦7\)となることはない。

[3] \(a\)<\(0\)の場合、\(x\)が増加すると\(y\)は減少する。
なので、
\(x=2\)のとき、\(y=2a+b=7\)・・・①
\(x=3\)のとき、\(y=3a+b=5\)・・・②
となる。

定数\(a,b\)の値を求めたいので、連立方程式を解く。

これは、\(a\)<\(0\)を満たす。
以上から、
\(a=2,b=1\) または \(a=-2,b=11\)
これが答え。
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変域 | 変数のとりうる値の範囲のこと。 |
定義域 | 関数\(y=f(x)\)における、\(x\)の変域。 |
値域 | \(x\)が定義域全体を動くときの\(y\)の変域。 |
最大値 | 関数の値域に最大の値があるとき「最大値」って呼ぶ。 |
最小値 | 関数の値域に最小の値があるとき「最小値」って呼ぶ。 |
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関数\(y=f(x)\)は、\(x\)が決まることで\(y\)が決まる。
つまり、\(x\)を定義することで\(y\)の値が決まるといえる。
なので、\(x\)の変域を定義域、\(y\)の変域を値域って覚えることができる。
定義域と値域の関係をグラフに表すことが出来れば、視覚的に問題を解くことができる。
やっぱりグラフって便利。