【2次関数】動く区間における最大と最小(一端)

2次関数の最大値と最小値でやったように、定義域が設定されて区間が決められていた場合、最大値・最小値が変わったりする。
今度は、区間の一端が動くとどうなるかを考える。

区間の一端が動くってなに?

例えば、関数\(y=x^2-4x+5 (0≦x≦a)\)を考えてみる。
平方式に平方完成すると、
\(y=x^2-4x+5\)
\(y=x^2-4x+2^2-2^2+5\)
\(y=(x-2)^2-2^2+5\)
\(y=(x-2)^2-4+5\)
\(y=(x-2)^2+1\)
となり、グラフに表すと、
こんな感じになる。
頂点\((2,1)\)軸\(x=2\)、\(x^2\)の係数はプラスだから下に凸だということが分かる。
定義域が設定されているから、仮のグラフとして点線で表しておく。
ここから定義域\(0≦x≦\)\(a\)をグラフで見ると

こんな感じになる。
定義域に文字が含まれているので、区間の一端が動くという挙動を示す。
これが区間の一端が動くということ。
区間の一端が動くことによって、最大値と最小値も変化する。

動く区間における最大と最小

今の関数\(y=x^2-4x+5 (0≦x≦a)\)で最大値と最小値がどうなるのか考えていく。
考えられるのは、
①\(0\)<\(a\)<\(2\)
②\(2≦a\)<\(4\)
③\(a=4\)
④\(4\)<\(a\)
この4パターン。
順番に見ていく。

①\(0\)<\(a\)<\(2\)のとき
最大値は、2次関数の最大値と最小値より

このパターン。
\(x=0\)で最大値\(5\)をとる。
最小値は、2次関数の最大値と最小値より
このパターン。
\(x=a\)で最小値をとる。
\(x=a\)のときの\(y\)の値は、
\(y=x^2-4x+5\)
\(y=a^2-4a+5\)
つまり、\(x=a\)で最小値\(a^2-4a+5\)をとる。

グラフで見るとこんな感じ。
これで、
\(0\)<\(a\)<\(2\)のとき
\(x=0\)で最大値\(5\)
\(x=a\)で最小値\(a^2-4a+5\)
という答えが出た。

②\(2≦a\)<\(4\)のとき
最大値は、2次関数の最大値と最小値より

このパターン。
\(x=0\)で最大\(5\)をとる。
最小値は、2次関数の最大値と最小値より
このパターン。
\(x=2\)で最小値\(1\)をとる。

グラフで見るとこんな感じ。
これで、
\(2≦a\)<\(4\)のとき
\(x=0\)で最大値\(5\)
\(x=2\)で最小値\(1\)
という答えが出た。

③\(a=4\)のとき
最大値は、2次関数の最大値と最小値より

このパターン。
\(x=0,4\)で最大値\(5\)をとる。
最小値は、 2次関数の最大値と最小値より
このパターン。
\(x=2\)で最小値\(1\)をとる。

グラフで見るとこんな感じ。
これで、
\(a=4\)のとき
\(x=0,4\)で最大値\(5\)
\(x=2\)で最小値\(1\)
という答えが出た。

④\(4\)<\(a\)のとき
最大値は、 2次関数の最大値と最小値より

このパターン。
\(x=a\)で最大値をとる。
\(x=a\)のときの\(y\)の値は、
\(y=x^2-4x+5\)
\(y=a^2-4a+5\)
つまり、\(x=a\)で最大値\(a^2-4a+5\)をとる。
最小値は、 2次関数の最大値と最小値より
このパターン。
\(x=2\)で最小値\(1\)をとる。
グラフで見るとこんな感じ。
これで、
\(4\)<\(a\)のとき
\(x=a\)で最大値\(a^2-4a+5\)
\(x=2\)で最小値\(1\)
という答えが出た。
①~④をまとめてみると

こんな感じ。
これが、区間の一端が動くときの最大と最小。

例題

例題を解きながら動く区間における最大値と最小値の求め方を確認する。

まずは、\(y=-\frac{1}{2}x^2+3x\)を平方式に平方完成する。
\(y=-\frac{1}{2}x^2+3x\)
\(y=-\frac{1}{2}(x^2-6x)\)
\(y=-\frac{1}{2}(x^2-6x+3^2-3^2)\)
\(y=-\frac{1}{2}\{(x-3)^2-9\}\)
\(y=-\frac{1}{2}(x-3)^2+\frac{9}{2}\)
これで、頂点\((3,\frac{9}{2})\)軸\(x=3\)、\(x^2\)の係数はマイナスだから上に凸だということが分かった。

グラフに表すとこんな感じ。
とりあえず点線で表しておく。

(1)\(0\)<\(a\)<\(3\)
最大値は、2次関数の最大値と最小値より

このパターン。
\(x=a\)で最大値をとる。
\(x=a\)のときの\(y\)の値は、
\(y=-\frac{1}{2}x^2+3x\)
\(y=-\frac{1}{2}a^2+3a\)
つまり、\(x=a\)で最大値\(-\frac{1}{2}a^2+3a\)をとる。
最小値は、2次関数の最大値と最小値より
このパターン。
\(x=0\)で最小値\(0\)をとる。

グラフで見るとこんな感じ。
\(0\)<\(a\)<\(3\)のとき
\(x=a\)で最大値\(-\frac{1}{2}a^2+3a\)
\(x=0\)で最小値\(0\)
これが答え。

(2)\(3≦a\)<\(6\)
最大値は、2次関数の最大値と最小値より

このパターン。
\(x=3\)で最大値\(\frac{9}{2}\)をとる。
最小値は、2次関数の最大値と最小値より
このパターン。
\(x=0\)で最小値\(0\)をとる。

グラフで見るとこんな感じ。
\(3≦a\)<\(6\)のとき
\(x=3\)で最大値\(\frac{9}{2}\)
\(x=0\)で最小値\(0\)
これが答え。

(3)\(a=6\)
最大値は、2次関数の最大値と最小値より

このパターン。
\(x=3\)で最大値\(\frac{9}{2}\)をとる。
最小値は、2次関数の最大値と最小値より
このパターン。
\(x=0,6\)で最小値\(0\)をとる。

グラフで見るとこんな感じ。
\(a=6\)のとき
\(x=3\)で最大値\(\frac{9}{2}\)
\(x=0,6\)で最小値\(0\)
これが答え。

(4)\(6\)<\(a\)
最大値は、2次関数の最大値と最小値より

このパターン。
\(x=3\)で最大値\(\frac{9}{2}\)をとる。
最小値は、2次関数の最大値と最小値より
このパターン。
\(x=a\)で最小値をとる。
\(x=a\)のときの\(y\)の値は、
\(y=-\frac{1}{2}x^2+3x\)
\(y=-\frac{1}{2}a^2+3a\)
つまり、\(x=a\)で最小値\(-\frac{1}{2}a^2+3a\)をとる。
グラフで見るとこんな感じ。
\(6\)<\(a\)のとき
\(x=3\)で最大値\(\frac{9}{2}\)
\(x=a\)で最小値\(-\frac{1}{2}a^2+3a\)
これが答え。
(1)~(4)をまとめてみると

こんな感じ。

定義を知る

平方式
\(a(x-p)^2+q\)
平方完成
2次の多項式を平方式や完全平方式に変形させること
定義域
関数\(y=f(x)\)における\(x\)の変域のこと
区間
定義域に制限がある際の、\(x\)の値の範囲の実数\(x\)の集合のこと

まとめ

動く区間における最大と最小は、基本がしっかりできていればそこまで難しくない。
ちょっとややこしいけど、問題のパターンを覚えていれば答えまで導き出せる。
いくつも例題や問題を解いて、基本をしっかりと身に着けておきたい。
といいつつも、正直、できれば区間は動かないでいて欲しい。

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