倍数の判定方法|何の倍数かを見分けるコツ

【アイキャッチ】倍数の判定方法|何の倍数かを見分けるコツ

ある数字が何の倍数かどうかは、実際に割り算をしなくても見分けられる場合がある。
倍数の判定方法を覚えておくと、計算をしなくても何の倍数かを素早く判断できる。

倍数とは

倍数とは、ある整数を整数倍してできる数であることを、2・3・4の倍数を例に示した図
倍数とは、ある整数を整数倍してできる数のこと。
例えば、
  • \(12\)は\(3×4\)なので\(3\)の倍数
  • \(30\)は\(5×6\)なので\(5\)の倍数
  • \(42\)は\(7×6\)なので\(7\)の倍数
となる。
これは、
  • \(12\)は\(3\)で割り切れるので\(3\)の倍数
  • \(30\)は\(5\)で割り切れるので\(5\)の倍数
  • \(42\)は\(7\)で割り切れるので\(7\)の倍数
ということができる。
つまり、ある整数が何の倍数であるかを調べるときは、その整数を割り切ることのできる数を調べればいいということ。
割り切ることのできる数とは、割り算をしたときの余りが\(0\)になる数のこと。
☆0の扱い
\(0\)も整数だが、少し注意が必要。\(0\)は、どんな整数を掛けても作ることができる。例えば、 \[0=3×0\] なので、\(0\)は\(3\)の倍数である。同じように、 \[0=5×0\] なので、\(0\)は\(5\)の倍数である。つまり、\(0\)はすべての整数の倍数であるといえる。一方、\(0\)の倍数を考えると、 \[0×0=0\] \[0×1=0\] \[0×2=0\] のように、\(0\)にどんな整数を掛けても結果は\(0\)になる。そのため、\(0\)の倍数は\(0\)だけであるといえる。また、倍数は「割り切れるかどうか」で考えることができるが、\(0\)で割ることはできない。例えば、 \[12÷0\] のような計算はできない。そのため、「\(0\)で割り切れるかどうか」という考え方で\(0\)の倍数を判断することはできない。\(0\)に関する倍数について考えるときは、
・\(0\)はすべての整数の倍数
・\(0\)の倍数は\(0\)だけ
・\(0\)で割ることはできない
という点に注意しなければならない。

倍数の判定方法一覧

2~12の倍数の判定方法を、見る場所や計算方法ごとに分類した図
倍数
判定方法
\(1\)の倍数
すべての整数
\(2\)の倍数
一の位が偶数
\(3\)の倍数
各位の数字の和が\(3\)の倍数
\(4\)の倍数
下2桁が\(4\)の倍数
\(5\)の倍数
一の位が\(0\)または\(5\)
\(6\)の倍数
\(2\)の倍数かつ\(3\)の倍数
\(7\)の倍数
一の位を2倍した数を残りの数から引いた結果が\(7\)の倍数
\(8\)の倍数
下3桁が\(8\)の倍数
\(9\)の倍数
各位の数字の和が\(9\)の倍数
\(10\)の倍数
一の位が\(0\)
\(11\)の倍数
奇数番目と偶数番目の位の数字の和の差が\(11\)の倍数または\(0\)
\(12\)の倍数
\(3\)の倍数かつ\(4\)の倍数
整数には、数字の並びや各位の数字に注目することで、割り算をしなくても倍数かどうかを判定できるものがある。

1の倍数

1の倍数はすべての整数であることを示した図
\(1\)の倍数は、すべての整数となる。
例えば、
  • \(1\)
  • \(7\)
  • \(25\)
  • \(100\)
はすべて\(1\)の倍数。
これは、どの整数も\(1\)で割ると必ず割り切れるため。
そのため、\(1\)の倍数かどうかを判定する必要はなく、すべての整数が\(1\)の倍数となる。

2の倍数

2の倍数は一の位が偶数で判定できることを示した図
一の位の数字が偶数(\(0,2,4,6,8\))であれば\(2\)の倍数となる。
例えば、
  • \(46\)
  • \(780\)
  • \(1234\)
は、すべて一の位が偶数なので、\(2\)の倍数であることがわかる。
整数は10進法で表されており、\(10,100,1000\)などの位の数はすべて\(2\)で割り切れる。
そのため、\(2\)の倍数かどうかを調べるときは、\(2\)で割ったときに余りが出る可能性がある一の位の数字だけを確認すればよい。
整数を10進法で表すと、例えば4桁の整数は、 \[1000a+100b+10c+d\]
・\(a\):千の位の数字
・\(b\):百の位の数字
・\(c\):十の位の数字
・\(d\):一の位の数字
と表すことができる。式変形すると
\(\begin{array}{l}\;\;\;\:1000a+100b+10c+d\\ =2(500a+50b+5c)+d\end{array}\)
となる。\(2(500a+50b+5c)\)は\(2\)で割り切れるので、整数を\(2\)で割ったときの余りは\(d\)を\(2\)で割ったときの余りと一致する。なので、整数が\(2\)の倍数であるための条件は、\(d\)が偶数であることとなる。よって、一の位が偶数であれば、その整数は\(2\)の倍数である。

3の倍数

3の倍数は各位の数字の和で判定できることを示した図
各位の数字の和が\(3\)の倍数であれば\(3\)の倍数となる。
例えば、
  • \(123\)
  • \(1053\)
  • \(12345\)
は、それぞれ各位の数字の和が
・\(1+2+3=6\)
・\(1+0+5+3=9\)
・\(1+2+3+4+5=15\)
となり、いずれも\(3\)の倍数なので、\(3\)の倍数であることがわかる。
整数は10進法で表されており、\(10,100,1000\)などを\(3\)で割ると、いずれも余りが\(1\)になる。
そのため、各位の数字を足した和を\(3\)で割った余りと、元の整数を\(3\)で割った余りは一致する。
よって、\(3\)の倍数かどうかを調べるときは、各位の数字の和だけを確認すればよい。
整数を10進法で表すと、例えば4桁の整数は、 \[1000a+100b+10c+d\]
・\(a\):千の位の数字
・\(b\):百の位の数字
・\(c\):十の位の数字
・\(d\):一の位の数字
と表すことができる。式変形すると
\(\begin{array}{l}\;\;\;\:1000a+100b+10c+d\\ =(999+1)a+(99+1)b+(9+1)c+d\\ =999a+99b+9c+a+b+c+d\\ =3(333a+33b+3c)+(a+b+c+d)\end{array}\)
となる。\(3(333a+33b+3c)\)は\(3\)で割り切れるので、整数を\(3\)で割ったときの余りは\((a+b+c+d)\)を\(3\)で割ったときの余りと一致する。なので、整数が\(3\)の倍数であるための条件は、\((a+b+c+d)\)が\(3\)の倍数であることとなる。よって、各位の数字の和が\(3\)の倍数であれば、その整数は\(3\)の倍数である。

4の倍数

4の倍数は下2桁で判定できることを示した図
下2桁が\(4\)の倍数であれば\(4\)の倍数となる。
例えば、
  • \(116\)
  • \(1232\)
  • \(79568\)
は、それぞれ下2桁が
・\(16\)
・\(32\)
・\(68\)
となり、いずれも\(4\)の倍数なので、\(4\)の倍数であることがわかる。
整数は10進法で表されており、\(100,1000,10000\)などの位の数はすべて\(4\)で割り切れる。
そのため、\(4\)の倍数かどうかを調べるときは、\(4\)で割ったときに余りが出る可能性がある下2桁だけを確認すればよい。
整数を10進法で表すと、例えば4桁の整数は、 \[1000a+100b+10c+d\]
・\(a\):千の位の数字
・\(b\):百の位の数字
・\(c\):十の位の数字
・\(d\):一の位の数字
と表すことができる。式変形すると
\(\begin{array}{l}\;\;\;\:1000a+100b+10c+d\\ =4(250a+25b)+(10c+d)\end{array}\)
となる。\(4(250a+25b)\)は\(4\)で割り切れるので、整数を\(4\)で割ったときの余りは\((10c+d)\)を\(4\)で割ったときの余りと一致する。なので、整数が\(4\)の倍数であるための条件は、\((10c+d)\)が\(4\)の倍数であることとなる。この\((10c+d)\)というのは下2桁でできる数を表しているので、下2桁が\(4\)の倍数であれば、その整数は\(4\)の倍数である。

5の倍数

5の倍数は一の位が0または5で判定できることを示した図
一の位の数字が\(0\)または\(5\)であれば\(5\)の倍数となる。
例えば、
  • \(120\)
  • \(345\)
  • \(1230\)
は、それぞれ一の位が\(0\)または\(5\)なので、\(5\)の倍数であることがわかる。
整数は10進法で表されており、\(10,100,1000\)などの位の数はすべて\(5\)で割り切れる。
そのため、\(5\)の倍数かどうかを調べるときは、\(5\)で割ったときに余りが出る可能性がある一の位の数字だけを確認すればよい。
整数を10進法で表すと、例えば4桁の整数は、 \[1000a+100b+10c+d\]
・\(a\):千の位の数字
・\(b\):百の位の数字
・\(c\):十の位の数字
・\(d\):一の位の数字
と表すことができる。式変形すると
\(\begin{array}{l}\;\;\;\:1000a+100b+10c+d\\ =5(200a+20b+2c)+d\end{array}\)
となる。\(5(200a+20b+2c)\)は\(5\)で割り切れるので、整数を\(5\)で割ったときの余りは\(d\)を\(5\)で割ったときの余りと一致する。なので、整数が\(5\)の倍数であるための条件は、\(d\)が\(0\)または\(5\)であることとなる。よって、一の位が\(0\)または\(5\)であれば、その整数は\(5\)の倍数である。なお、\(0\)も\(5\)の倍数なので、「一の位が\(5\)の倍数であれば\(5\)の倍数となる」としても数学的には正しい。

6の倍数

6の倍数は2の倍数かつ3の倍数であることを示した図
\(2\)の倍数かつ\(3\)の倍数であれば\(6\)の倍数となる。
つまり、一の位が偶数で各位の数字の和が\(3\)の倍数であれば\(6\)の倍数となる。
例えば、
  • \(132\)
  • \(654\)
  • \(9876\)
は、それぞれ一の位が偶数かつ各位の数字の和が
・\(1+3+2=6\)
・\(6+5+4=15\)
・\(9+8+7+6=30\)
となり、いずれも\(3\)の倍数なので、\(6\)の倍数であることがわかる。
\(2\)の倍数は一の位が偶数、\(3\)の倍数は各位の数字の和が\(3\)の倍数であるため、\(6\)の倍数かどうかを調べるときは、この2つの条件をどちらも満たしているかを確認すればよい。
整数を10進法で表すと、例えば4桁の整数は、 \[1000a+100b+10c+d\]
・\(a\):千の位の数字
・\(b\):百の位の数字
・\(c\):十の位の数字
・\(d\):一の位の数字
と表すことができる。式変形すると
\(\begin{array}{l}\;\;\;\:1000a+100b+10c+d\\ =2(500a+50b+5c)+d\end{array}\)
となる。\(2(500a+50b+5c)\)は\(2\)で割り切れるので、整数を\(2\)で割ったときの余りは\(d\)を\(2\)で割ったときの余りと一致する。なので、整数が\(2\)の倍数であるための条件は、\(d\)が偶数であることとなる。よって、一の位が偶数であれば、その整数は\(2\)の倍数である。 \(6\)は、\(2×3\)と表すことができ、\(2\)と\(3\)は\(1\)以外に共通の約数をもたない(互いに素)。そのため、ある整数が\(6\)の倍数であることは、\(2\)で割り切れ、かつ\(3\)でも割り切れることと同じであるといえる。つまり、整数が\(6\)の倍数であるための条件は、
・一の位が偶数であること
・各位の数字の和が\(3\)の倍数であること
の両方を満たすこととなる。よって、\(2\)の倍数かつ\(3\)の倍数であれば、その整数は\(6\)の倍数である。

7の倍数

7の倍数は一の位を2倍して残りの数から引く方法で判定できることを示した図
一の位を\(2\)倍した数を残りの数から引いた結果が\(7\)の倍数であれば、元の整数も\(7\)の倍数となる。
例えば、
  • \(203\)
  • \(7028\)
  • \(686\)
について調べると、
・\(20−3×2=14\)
・\(702−8×2=686\)
・\(68−6×2=56\)
となり、いずれも計算結果が\(7\)の倍数なので、もとの整数も\(7\)の倍数であることがわかる。
この方法は、一の位を取り除くたびに桁数を減らすことができるため、大きな数でも簡単に\(7\)の倍数かどうかを判定することができる。
整数を10進法で表すと、例えば4桁の整数は、 \[1000a+100b+10c+d\]
・\(a\):千の位の数字
・\(b\):百の位の数字
・\(c\):十の位の数字
・\(d\):一の位の数字
と表すことができる。式変形すると
\(\begin{array}{l}\;\;\;\:1000a+100b+10c+d\\ =1000a+100b+10c-20d+21d\\ =10(100a+10b+c-2d)+21d\end{array}\)
となる。\(21d\)は\(7\)で割り切れるので、整数を\(7\)で割ったときの余りは\(10(100a+10b+c-2d)\)を\(7\)で割ったときの余りと一致する。\(7\)と\(10\)は\(1\)以外に共通の約数をもたない(互いに素)ため、\(10(100a+10b+c−2d)\)が\(7\)の倍数となるには、\((100a+10b+c−2d)\)が\(7\)の倍数である必要がある(例えば、\(10×A\)が\(7\)の倍数となるには、\(10\)には\(7\)の因数が含まれていないため、\(A\)が\(7\)の倍数である必要がある)。なので、整数が\(7\)の倍数であるための条件は、\((100a+10b+c−2d)\)が\(7\)の倍数であることとなる。この\((100a+10b+c−2d)\)というのは一の位を2倍した数を残りの数から引いた結果を表しているので、一の位を2倍した数を残りの数から引いた結果が\(7\)の倍数であれば、その整数は\(7\)の倍数である。

8の倍数

8の倍数は下3桁で判定できることを示した図
下3桁が\(8\)の倍数であれば\(8\)の倍数となる。
例えば、
  • \(1536\)
  • \(7960\)
  • \(123456\)
は、それぞれ下3桁が
・\(536\)
・\(960\)
・\(456\)
となり、いずれも\(8\)の倍数なので、\(8\)の倍数であることがわかる。
整数は10進法で表されており、\(1000,10000\)などの位の数はすべて\(8\)で割り切れる。
そのため、\(8\)の倍数かどうかを調べるときは、\(8\)で割ったときに余りが出る可能性がある下3桁だけを確認すればよい。
整数を10進法で表すと、例えば4桁の整数は、 \[1000a+100b+10c+d\]
・\(a\):千の位の数字
・\(b\):百の位の数字
・\(c\):十の位の数字
・\(d\):一の位の数字
と表すことができる。式変形すると
\(\begin{array}{l}\;\;\;\:1000a+100b+10c+d\\ =8×125a+(100b+10c+d)\end{array}\)
となる。\(8×125a\)は\(8\)で割り切れるので、整数を\(8\)で割ったときの余りは\((100b+10c+d)\)を\(8\)で割ったときの余りと一致する。なので、整数が\(8\)の倍数であるための条件は、\((100b+10c+d)\)が\(8\)の倍数であることとなる。この\((100b+10c+d)\)というのは下3桁でできる数を表しているので、下3桁が\(8\)の倍数であれば、その整数は\(8\)の倍数である。
3桁の整数が\(8\)の倍数かどうかを調べる場合は、次のような方法を利用できる。

①近い\(8\)の倍数を利用する方法
調べたい整数に近い\(8\)の倍数を利用して、差が\(8\)の倍数になるかを確認する。例えば、\(960\)が\(8\)の倍数か調べる場合、\(800\)が\(8\)の倍数であることを利用して差を求めると \[960-800=160\] となり、\(160\)が\(8\)の倍数であれば\(960\)も\(8\)の倍数となることがわかる。\(160\)は \[160=8×20\] なので\(8\)の倍数であるため、\(960\)は\(8\)の倍数であることがわかる。また、\(1000\)も\(8\)の倍数なので \[960-1000=-40\] となり、\(-40\)が\(8\)の倍数であれば\(960\)も\(8\)の倍数となることがわかる。\(-40\)は \[-40=8×(-5)\] なので\(8\)の倍数であるため、\(960\)は\(8\)の倍数であることがわかる。こんな感じに、調べたい整数に近い\(8\)の倍数との差が\(8\)の倍数になるかを確認することで、3桁の整数が\(8\)の倍数かどうかを判定できる。\(200,400,600,800\)などの\(8\)の倍数を利用すると計算しやすい。\(456\)であれば、\(456-400=56\)となり、\(536\)であれば、\(536-600=-64\)となり、\(56\)も\(-64\)も\(8\)の倍数なので\(456\)も\(536\)も\(8\)の倍数であることがわかる。\(160\)が\(8\)の倍数であることに気づけたら\(960-160=800\)として\(800\)が\(8\)の倍数なので\(960\)も\(8\)の倍数と判定することもできる。

②\(4\)の倍数と\(2\)の倍数判定を利用する方法
\[8=4×2\] と表すことができるので、\(8\)の倍数であるためには、\(4\)の倍数であり、さらに\(4\)で割った結果が偶数である必要がある。例えば、\(960\)が\(8\)の倍数か調べる場合、まず下2桁の\(60\)は\(4\)の倍数なので、\(960\)は\(4\)の倍数であることがわかる。次に\(4\)で割って \[960÷4=240\] となり、\(240\)は偶数なので、\(960\)は\(8\)の倍数であることがわかる。こんな感じに、\(4\)の倍数判定と割り算の結果が偶数かどうかを組み合わせることで、\(8\)の倍数かどうかを判定することもできる。\(456\)であれば下2桁\(56\)は\(4\)の倍数なので\(4\)で割ると\(114\)という偶数になり、\(536\)であれば下2桁\(36\)は\(4\)の倍数なので\(4\)で割ると\(134\)という偶数になるため、\(456\)も\(536\)も\(8\)の倍数であることがわかる。

9の倍数

9の倍数は各位の数字の和で判定できることを示した図
各位の数字の和が\(9\)の倍数であれば\(9\)の倍数となる。
例えば、
  • \(423\)
  • \(1458\)
  • \(234567\)
は、それぞれ各位の数字の和が
・\(4+2+3=9\)
・\(1+4+5+8=18\)
・\(2+3+4+5+6+7=27\)
となり、いずれも\(9\)の倍数なので、\(9\)の倍数であることがわかる。
整数は10進法で表されており、\(10,100,1000\)などを\(9\)で割ると、いずれも余りが\(1\)になる。
そのため、各位の数字を足した和を\(9\)で割った余りと、元の整数を\(9\)で割った余りは一致する。
よって、\(9\)の倍数かどうかを調べるときは、各位の数字の和だけを確認すればよい。
整数を10進法で表すと、例えば4桁の整数は、 \[1000a+100b+10c+d\]
・\(a\):千の位の数字
・\(b\):百の位の数字
・\(c\):十の位の数字
・\(d\):一の位の数字
と表すことができる。式変形すると
\(\begin{array}{l}\;\;\;\:1000a+100b+10c+d\\ =(999+1)a+(99+1)b+(9+1)c+d\\ =999a+99b+9c+a+b+c+d\\ =9(111a+11b+c)+(a+b+c+d)\end{array}\)
となる。\(9(111a+11b+c)\)は\(9\)で割り切れるので、整数を\(9\)で割ったときの余りは\((a+b+c+d)\)を\(9\)で割ったときの余りと一致する。なので、整数が\(9\)の倍数であるための条件は、\((a+b+c+d)\)が\(9\)の倍数であることとなる。よって、各位の数字の和が\(9\)の倍数であれば、その整数は\(9\)の倍数である。

10の倍数

10の倍数は一の位が0で判定できることを示した図
一の位の数字が\(0\)であれば\(10\)の倍数となる。
例えば、
  • \(150\)
  • \(9870\)
  • \(12340\)
は、それぞれ一の位が\(0\)なので、\(10\)の倍数であることがわかる。
整数は10進法で表されており、\(10,100,1000\)などの位の数はすべて\(10\)で割り切れる。
そのため、\(10\)の倍数かどうかを調べるときは、\(10\)で割ったときに余りが出る可能性がある一の位の数字だけを確認すればよい。
整数を10進法で表すと、例えば4桁の整数は、 \[1000a+100b+10c+d\]
・\(a\):千の位の数字
・\(b\):百の位の数字
・\(c\):十の位の数字
・\(d\):一の位の数字
と表すことができる。式変形すると
\(\begin{array}{l}\;\;\;\:1000a+100b+10c+d\\ =10(100a+10b+c)+d\end{array}\)
となる。\(10(100a+10b+c)\)は\(10\)で割り切れるので、整数を\(10\)で割ったときの余りは\(d\)を\(10\)で割ったときの余りと一致する。なので、整数が\(10\)の倍数であるための条件は、\(d\)が\(0\)であることとなる。よって、一の位が\(0\)であれば、その整数は\(10\)の倍数である。

11の倍数

11の倍数は奇数番目と偶数番目の位の数字の和の差で判定できることを示した図
右または左から数えて奇数番目の位の数字の和と、偶数番目の位の数字の和との差が\(11\)の倍数または\(0\)であれば\(11\)の倍数となる。
例えば、
  • \(121\)
  • \(418\)
  • \(9152\)
について右から数えて調べると、
・\((1+1)-2=0\)
・\((8+4)-1=11\)
・\((2+1)-(5+9)=-11\)
となり、いずれも差が\(11\)の倍数または\(0\)なので、\(11\)の倍数であることがわかる。
この方法は、右から数えても左から数えても判定結果は変わらないため、どちらから数えてもよい。
整数を10進法で表すと、例えば4桁の整数は、 \[1000a+100b+10c+d\]
・\(a\):千の位の数字
・\(b\):百の位の数字
・\(c\):十の位の数字
・\(d\):一の位の数字
と表すことができる。式変形すると
\(\begin{array}{l}\;\;\;\:1000a+100b+10c+d\\ =(1001-1)a+(99+1)b+(11-1)c+d\\ =1001a+99b+11c+(-a+b-c+d)\\ =11(91a+9b+c)+(-a+b-c+d)\end{array}\)
となる。\(11(91a+9b+c)\)は\(11\)で割り切れるので、整数を\(11\)で割ったときの余りは\((-a+b-c+d)\)を\(11\)で割ったときの余りと一致する。この\((-a+b-c+d)\)は、\((b+d)-(a+c)\)と表すことができる。つまり、
・\((b+d)\):右から数えて奇数番目の位の数字の和
・\((a+c)\):右から数えて偶数番目の位の数字の和
の差を表している。なので、整数が\(11\)の倍数であるための条件は、右から数えて奇数番目の位の数字の和と偶数番目の位の数字の和との差が\(11\)の倍数または\(0\)であることとなる。また、\(11\)の倍数に\(−1\)を掛けても\(11\)の倍数であるため、\((b+d)-(a+c)\)に\(−1\)を掛けた\((a+c)-(b+d)\)が\(11\)の倍数または\(0\)である場合も判定結果は変わらない。つまり、左から数えて奇数番目の位の数字の和と偶数番目の位の数字の和との差によっても判定することができる。よって、右または左から数えて奇数番目の位の数字の和と偶数番目の位の数字の和との差が\(11\)の倍数または\(0\)であれば、その整数は\(11\)の倍数である。なお、\(0\)も\(11\)の倍数なので、「差が\(11\)の倍数であれば\(11\)の倍数となる」としても数学的には正しい。

12の倍数

12の倍数は3の倍数かつ4の倍数であることを示した図
\(3\)の倍数かつ\(4\)の倍数であれば\(12\)の倍数となる。
つまり、各位の数字の和が\(3\)の倍数であり、下2桁が\(4\)の倍数であれば\(12\)の倍数となる。
例えば、
  • \(132\)
  • \(1236\)
  • \(73104\)
は、それぞれ各位の数字の和が
・\(1+3+2=6\)
・\(1+2+3+6=12\)
・\(7+3+1+0+4=15\)
となり、いずれも\(3\)の倍数である。
また、下2桁は
・\(32\)
・\(36\)
・\(04\)
となり、いずれも\(4\)の倍数である。
そのため、これらはすべて\(12\)の倍数であることがわかる。
\(3\)の倍数は各位の数字の和が\(3\)の倍数であり、\(4\)の倍数は下2桁が\(4\)の倍数であるため、\(12\)の倍数かどうかを調べるときは、この2つの条件をどちらも満たしているかを確認すればよい。
\(12\)は、\(3×4\)と表すことができ、\(3\)と\(4\)は\(1\)以外に共通の約数をもたない(互いに素)。そのため、ある整数が\(12\)の倍数であることは、\(3\)で割り切れ、かつ\(4\)でも割り切れることと同じであるといえる。つまり、整数が\(12\)の倍数であるための条件は、
・各位の数字の和が\(3\)の倍数であること
・下2桁が\(4\)の倍数であること
の両方を満たすこととなる。よって、\(3\)の倍数かつ\(4\)の倍数であれば、その整数は\(12\)の倍数である。

まとめ

倍数の判定方法を知っていれば、ある整数が何の倍数であるかを素早く判断することができる。
  • \(2,5,10\)の倍数は一の位
  • \(4,8\)の倍数は下2桁、下2桁
  • \(3,9\)の倍数は各位の数字の和
  • \(6,12\)の倍数は他の倍数判定の組み合わせ
  • \(7,11\)の倍数は決められた計算
という感じに、それぞれ異なる特徴を利用して判定できる。
これらは、単なる暗記ではなく、10進法の仕組みや割り算の性質から導かれる。
判定方法だけでなく、その理由まで理解しておくことで忘れにくくなり、整数の性質への理解も深まる。
とりあえず\(2,3,4,5,9,10\)あたりのよく使う判定方法から覚え、余裕があれば\(7,11\)の判定方法も覚えておきたい。

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