共通部分ってなに?和集合ってなに?記号の意味と覚え方

ものごとを整理して考えるとき、複数の条件に当てはまるものをまとめて考えることがある。
数学では、この「両方に当てはまる」「どちらかに当てはまる」という関係を共通部分和集合として表す。

共通部分ってなに?

共通部分は、集合\(A\)と集合\(B\)の両方に属する要素全体の集合のこと。
「共通部分」も集合として扱う。
たとえば、 \[A=\{1,2,3\}\] \[B=\{3,4,5\}\] のとき、\(A\)と\(B\)の両方に属する要素全体は\(\{3\}\)なので、共通部分は\(\{3\}\)となる。

共通部分の記号

記号では \[A∩B\] と書いて、「\(A\)かつ\(B\)」と読む。
たとえば、 \[A=\{1,2,3\}\] \[B=\{3,4,5\}\] のとき、\(A\)と\(B\)の共通部分は\(\{3\}\)なので、 \[A∩B=\{3\}\] と表す。
これを一般化すると
\(A∩B=\{x|x∈A\)かつ\(x∈B\}\)
こんな感じになる。
共通部分「\(∩\)」は、「かつ」という意味。

和集合ってなに?

和集合は、集合\(A\)と集合\(B\)の少なくとも一方に属する要素全体の集合のこと。
たとえば、 \[A=\{1,2,3\}\] \[B=\{3,4,5\}\] のとき、\(A\)と\(B\)の少なくとも一方に属する要素全体は\(\{1,2,3,4,5\}\)なので、和集合は\(\{1,2,3,4,5\}\)となる。

和集合の記号

記号では \[A∪B\] と書いて、「\(A\)または\(B\)」と読む。
たとえば、 \[A=\{1,2,3\}\] \[B=\{3,4,5\}\] のとき、\(A\)と\(B\)の和集合は\(\{1,2,3,4,5\}\)なので、 \[A∪B=\{1,2,3,4,5\}\] と表す。
これを一般化すると
\(A∪B=\{x|x∈A\)または\(x∈B\}\)
こんな感じになる。
共通部分「\(∪\)」は、「または」という意味。

3つ以上の集合でも考えられる

2つの集合だけでなく、3つ以上でも同じ考え方が使える。
  • \(A∩B∩C\)(\(A\)かつ\(B\)かつ\(C\))
    →\(A,B,C\)のすべてに属する要素全体の集合。
  • \(A∪B∪C\)(\(A\)または\(B\)または\(C\))
    →\(A,B,C\)のうち少なくとも1つに属する要素全体の集合。
こんな感じに、共通部分も和集合もいくつでも続けて書ける。
たとえば、
\(A=\{1,2,3\}\)
\(B=\{3,4,5\}\)
\(C=\{1,3,5,7\}\)
のとき、
\(A∩B∩C=\{3\}\)
\(A∪B∪C=\{1,2,3,4,5,7\}\)
こんな感じになる。

「∩」と「∪」の覚え方

「\(∩\)」と「\(∪\)」を口に見立てて連想すると覚えやすい。
・口が「\(∩\)」で仲が悪い→共通部分(狭い範囲)
・口が「\(∪\)」で仲が良い→和集合(広い範囲)
☆記号の由来
「\(∪\)」は英語のunion(合併)の頭文字に由来しており、その対になる形として「\(∩\)」が使われた。また、それぞれの形から「\(∪\)」は「カップ(cup)」、「\(∩\)」は「キャップ(cap)」とも呼ばれる。実際にパソコンの文字変換で「カップ」「キャップ」と入力するとそれぞれの記号「\(∪\)」「\(∩\)」を呼び出すことができる。

部分集合との関係

\(A⊂B\)のとき、\(A\)と\(B\)の共通部分はA自身になる。
つまり、
\(A⊂B\)のとき\(A∩B=A\)
となる。
逆に、和集合は\(B\)になる。
\(A⊂B\)のとき\(A∪B=B\)
こんな感じに、共通部分・和集合を考えるとき部分集合の関係も出てきたりする。

合わせて読みたい

部分集合ってなに?記号の意味

定義を知る

集合
範囲がはっきりしているものの集まり
要素(元)
集合をつくっている1つ1つのもの
部分集合
\(A⊂B\)
\(A\)は\(B\)に含まれる
\(B\)は\(A\)を含む
共通部分
\(A∩B\)
\(A\)かつ\(B\)
和集合
\(A∪B\)
\(A\)または\(B\)

まとめ

共通部分\(A∩B\)は、\(A\)と\(B\)の両方に属する要素の集合。
和集合\(A∪B\)は、\(A\)と\(B\)の少なくとも一方に属する要素の集合。
\(∩\)は仲が悪い、\(∪\)は仲が良いイメージ。
記号が増えてきてそろそろわけがわからなくなってきた。
記号の形と意味が似ているから分かりにくいけど、形と意味をイメージで繋げていきたい。

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