2次不等式は連立されたものが出題されることもある。
連立1次不等式が分かっていれば、基本的な処理の流れは同じ。
違うのは「対象が2次式になること」だけ。

たとえば、 \[x^2-4\rm{<}0\:\rm{かつ}\:\textit{x}^2-1\rm{>}0\] こんな感じ。
どちらの不等式も成り立つような𝑥の範囲を探すことで解くことができる。
連立不等式として表す場合、 \[ \left\{ \begin{array}{l} \displaystyle x^2-4\rm{<}0\\ x^2-1\rm{>}0 \end{array} \right. \] こんな感じに表す。
これが連立不等式。
今の連立不等式は2次式の不等式を連立したので、これが連立2次不等式となる。
1次不等式では、数直線を使ってそれぞれの範囲を求め、共通部分を答えとしていた。

違いは、「解くときにグラフの形を意識する必要がある」という点。
つまり、2次不等式を解くことができれば、連立2次不等式も解くことができる。

1.それぞれの不等式を個別に解く
2.各不等式の解を数直線で表す
3.共通部分を答えとする
の3ステップで解くことができる。
視覚的に2つの放物線のグラフを考えて、その間にある「同時に条件を満たす𝑥の範囲」を探すイメージ。
1.それぞれの不等式を個別に解く
とりあえず分かりやすくするために番号を振って、それぞれの不等式を個別に解いていく。

\(2\rm{<}\textit{x}\rm{<}5\rm{と}\textit{x}\rm{≦}1,4\rm{≦}\textit{x}\)を数直線で表す。

①かつ②の部分を探す。

こんな感じに連立2次不等式を解いていく。

この不等式は複合不等式といって、2つ以上の不等号を組み合わせて、同時に成り立つ複数の条件を一つの不等式で表したもの。
式の意味としては \[-4x-3\rm{<}\textit{x}^2\rm{かつ}\textit{x}^2\rm{<}-2\textit{x}+15\] となり、連立不等式として分けて考える必要がある。
こんな感じの複合不等式は「連立」と同じ意味なので、2つに分けて処理するようにしたい。
解き方は、まず分けることで連立できるようになるので、
0.分けて連立として扱う
1.それぞれの不等式を個別に解く
2.各不等式の解を数直線で表す
3.共通部分を答えとする
こんな感じのステップで解くことができる。
0.分けて連立として扱う
今やったように、 \[-4x-3\rm{<}\textit{x}^2\rm{かつ}\textit{x}^2\rm{<}-2\textit{x}+15\] と分けることで、連立2次不等式 \[ \left\{ \begin{array}{l} \displaystyle -4x-3\rm{<}\textit{x}^2\\ x^2\rm{<}-2\textit{x}+15 \end{array} \right. \] として解いていくことができる。
1.それぞれの不等式を個別に解く
さっきと同じように、分かりやすくするために番号を振って、それぞれの不等式を個別に解いていく。

\(x\rm{<}-3,-1\rm{<}\textit{x}\)と\(-5\rm{<}\textit{x}\rm{<}3\)を数直線で表す。

①かつ②の部分を探す。

複合不等式は「分けて連立」と覚えておきたい。
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例題を解きながら、連立2次不等式の解き方を確認する。



\(x\rm{<}-2,2\rm{<}\textit{x}\rm{と}-6\rm{≦}\textit{x}\rm{≦}0\)を数直線で表す。

①かつ②の部分を探す。



\(x\rm{<}-3,1\rm{<}\textit{x}\rm{と}\textit{x}\rm{≦}2,4\rm{≦}\textit{x}\)を数直線で表す。

①かつ②の部分を探す。


\[4x+5\rm{<}\textit{x}^2\rm{かつ}\textit{x}^2\rm{<}4\textit{x}+12\] と分けて、連立2次不等式 \[ \left\{ \begin{array}{l} \displaystyle 4x+5\rm{<}\textit{x}^2\\ x^2\rm{<}4\textit{x}+12 \end{array} \right. \] として解いていく。
1.それぞれの不等式を個別に解く

\(x\rm{<}-1,5\rm{<}\textit{x}\rm{と}-2\rm{<}\textit{x}\rm{<}6\)を数直線で表す。

①かつ②の部分を探す。

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\(ax^2+bx+c\)>\(0\) \(ax^2+bx+c\)<\(0\) \(ax^2+bx+c\)≧\(0\) \(ax^2+bx+c\)≦\(0\) (\(a,b,c\)は定数、\(a≠0\)) |
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| 複数の不等式を同時に満たすような𝑥の範囲を求めるもの | |
| 2次不等式を連立したもの 例: \( \left\{ \begin{array}{l} \displaystyle x^2-7x+10\rm{<}0\\ x^2-5x+4\rm{≧}0 \end{array} \right. \) |
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| 2つ以上の不等号を組み合わせて、同時に成り立つ複数の条件を一つの不等式で表したもの 例:\(-4x-3\rm{<}\textit{x}^2\rm{<}-2\textit{x}+15\) |
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連立2次不等式は、2つ以上の2次不等式を同時に満たす範囲を求める問題。
それぞれの不等式を個別に解き、それらの共通部分を求めるのが基本的な解き方。
また、複合不等式という「一つの式で2つの条件を同時に満たす」不等式も、場合分けや変形を工夫する必要があることに注意したい。
連立・複合いずれにおいても、数直線での整理が視覚的に理解できるのでとても大事。
作図することを習慣化することで条件を見落とさないようにしていきたい。
複雑な解では数の大小関係の正確な判断がかなり重要になるため、基本的な大小比較にも慣れておきたい。
すうがくのいえ 
