軸と頂点ってなに?2次関数のグラフのかき方

数の関係性のことを関数と呼んで、関数はグラフに表すことができる。
なので、2次関数もグラフに表すことができる。
結論から言うと、「凸の向き」「頂点」「y切片」の3つが分かれば2次関数をグラフに表せる。

ってか、

そもそも2次関数ってなんだっけ?

2次関数ってなんだっけ?

2次関数2次式の関数っていう意味。
2次式とは、最も次数の高い項の次数が「2」の式ということ。
基本的に2次関数は \[y=ax^2+bx+c\]
(\(a,b,c\)は定数、\(a≠0\))
って表す。
例えば「\(y=x^2+2x+1\)」とか「\(y=x^2+4x-5\)」のこと。
2次関数はグラフに表すことができる。
☆2次式であるために
 \(x^2\)の係数である\(a\)が、もし\(0\)だったら、それは2次式ではなくなり2次関数ではなくなる。なので、2次関数を考えるときは、2次式であるために\(a≠0\)であることが前提となる。

2次関数のグラフの登場人物

2次関数のグラフは放物線って呼ばれる曲線になる。
2次関数を平方式平方完成して、
頂点上に凸下に凸かを考えて、

放物線とかヘイホーとか軸とか頂点とか…

よく分からん

ので、
1つずつ確認していく。

放物線ってなに?

放物線とは、投げた物が描く軌跡のこと。
例えば、投げたボールが描く軌跡。

こんな感じ。
った放物線
1次関数のグラフは直線だったけど、2次関数のグラフは放物線になる。
☆放物線の方程式
 2次関数\(y=ax^2+bx+c\)のグラフを単純に「放物線\(y=ax^2+bx+c\)」って呼んだりする。そして、\(y=ax^2+bx+c\)をこの放物線の方程式って呼んだりする。

基本の形

まず、基本の形を覚えなきゃいけない。
2次関数のグラフの基本の形は、\[y=ax^2\]のグラフ。

こんな形のグラフになる。
とりあえず形だけ覚えておけば良き。

例えば、\(a=1\)であれば\(y=x^2\)という式になる。
\(y=x^2\)のグラフは、
\(x=-3\)のとき\(y=9\)
\(x=-2\)のとき\(y=4\)
\(x=-1\)のとき\(y=1\)
\(x=0\)のとき\(y=0\)
\(x=1\)のとき\(y=1\)
\(x=2\)のとき\(y=4\)
\(x=3\)のとき\(y=9\)
なので、右のグラフみたいな形になる。
2次関数\(y=ax^2\)のグラフは原点Oを通って、\(y\)軸に関して対称な形となる。
こんな感じ。
この2次関数\(y=ax^2\)のグラフが基本的な形となる。
ほとんどの2次関数のグラフは、この基本の形が平行移動したグラフとなる。

上に凸か下に凸か

\(y=ax^2+bx+c\)における\(a\)の値、もしくは\(y=a(x-p)^2+q\)における\(a\)の値が、プラスのときは下に凸マイナスのときは上に凸になる。
つまり、2次関数\(y=ax^2\)のグラフは、\(a\)がプラス\((a\)>\(0)\)のときは下に凸、\(a\)がマイナス\((a\)<\(0)\)のときは上に凸になる。
こんな感じ。
\(a\)>\(0\)の場合、\(a\)が大きければ大きいほどグラフの凸は鋭くなる。
\(a\)<\(0\)の場合、\(a\)が小さければ小さいほどグラフの凸は鋭くなる。

こんな感じ。

☆aの値
 冒頭の「\(y=ax^2+bx+c\)における\(a\)の値、もしくは\(y=a(x-p)^2+q\)における\(a\)の値」としているのは、\(y=a(x-p)^2+q\)を展開すると、\(y=ax^2-2apx+ap^2+q\)となり、\(x^2\)の係数は\(a\)であることに変わりないため。そして上に凸か下に凸かを考えるときに知りたいのは、\(a\)がプラスなのかマイナスなのかのみなので、「\(y=ax^2+bx+c\)における\(a\)の値、もしくは\(y=a(x-p)^2+q\)における\(a\)の値」がプラスかマイナスかを確かめる必要がある。

軸ってなに?

放物線の対称軸のことを「軸」って呼ぶ。

放物線\(y=ax^2\)の軸は\(y\)軸となる。
\(y\)軸は\(x\)軸に垂直な\(x=0\)を通る直線なので「直線\(x=0\)」でも良き。
\(y=a(x-p)^2+q\)でいうと「直線\(x=p\)」が軸になる。

頂点ってなに?

軸と放物線の交点「頂点」って呼ぶ。

放物線\(y=ax^2\)の頂点は原点Oとなる。
原点Oの座標は\((0,0)\)なので「点\((0,0)\)」でも良き。
\(y=a(x-p)^2+q\)でいうと「点\((p,q)\)」が頂点になる。

平方式と公式

2次関数をグラフに表すためには、平方式平方完成しなきゃいけない。

平方式ってなんだっけ?

平方式っていうのは\[a(x-p)^2+q\]こんな感じの式のこと。
とりあえずこれが平方式
ある数を2乗することを、「平方」っていう。
平方式のうち、\(a=1,q=0\)の式のことを完全平方式っていう。
\[(x-p)^2\] こんな感じに、\((  )^2\)のみの式となる。
\((  )^2\)のみの式になればよいので、言ってしまえば\(a=1\)である必要もない。
平方完成とは、2次の多項式を平方式や完全平方式に変形させること

こんな感じ。
式変形の作業のこと平方完成っていう。

平方式の作り方

平方式が何なのか分かったところで、2次関数\(y=ax^2+bx+c\)を平方式で表してみる。
2次関数を平方式で表すことで、頂点が分かる。
\(y=ax^2+bx+c\)の式を\(y=a(x-p)^2+q\)の形に平方完成することを目指す。
これで\(y=a(x-p)^2+q\)の形に平方完成することができた。
\[p=-\frac{b}{2a}\] \[q=-\frac{b^2-4ac}{4a}\] こんな感じ。
符号がややこしいので注意。
例えば、

こんな感じ。

公式

\(y=a(x-p)^2+q\)でいうと「直線\(x=p\)」が軸になって「点\((p,q)\)」が頂点になる。
2次関数\(y=ax^2+bx+c\)において軸と頂点を考えると、
\(y=ax^2+bx+c=a(x+\frac{b}{2a})^2-\frac{b^2-4ac}{4a}\)より
軸は「直線\(x=-\frac{b}{2a}\)」
頂点は「点\((-\frac{b}{2a},-\frac{b^2-4ac}{4a})\)」
という公式が導き出せる。
といっても、平方式に式変形できるなら正直この公式は覚えていても覚えていなくてもどっちでも良いって感じ。
まぁ覚えていたら便利だよねってくらい。
例えば、
\(y=x^2+2x+1\)は、\(a=1,b=2,c=1\)より \[x=-\frac{b}{2a}=-\frac{2}{2}=-1\] \[(-\frac{b}{2a},-\frac{b^2-4ac}{4a})=(-\frac{2}{2},-\frac{4-4}{4})=(-1,0)\] なので、軸は「直線\(x=-1\)」、頂点は「点\((-1,0)\)」。

\(y=x^2+4x-5\)だと、\(a=1,b=4,c=-5\)より \[x=-\frac{b}{2a}=-\frac{4}{2}=-2\] \[(-\frac{b}{2a},-\frac{b^2-4ac}{4a})=(-\frac{4}{2},-\frac{16+20}{4})=(-2,-9)\] なので、軸は「直線\(x=-2\)」、頂点は「点\((-2,-9)\)」
こんな感じ。
☆公式
2次関数\(y=ax^2+bx+c\)において
軸は「直線\(x=-\frac{b}{2a}\)」
頂点は「点\((-\frac{b}{2a},-\frac{b^2-4ac}{4a})\)」

グラフに表す

\(y=a(x-p)^2+q\)でいうと「直線\(x=p\)」が軸になって「点\((p,q)\)」が頂点になる。
何故そうなるのかグラフで確認してみる。
式とグラフをリンクさせるつもりで見ると分かりやすいかも。

下に凸のグラフ

まず、頂点がどうなっているのかを見てみる。
\(a\)がプラス\((a\)>\(0)\)のとき、グラフは下に凸になる。
下に凸の状態だと、\(y\)の値には最小値があるということになる。
\(y\)の最小値、つまり\(a(x-p)^2+q\)が一番小さくなるとき、その\(x\)と\(y\)の座標が頂点となる。
\(a(x-p)^2+q\)が一番小さくなるのは、\(a(x-p)^2=0\)のとき。
数学Ⅰにおいて扱う数の範囲は実数なので、実数の2乗は必ず\(0\)以上になる。
「\(0\)以上」の中で一番小さい数は「\(0\)」。
なので、\(a(x-p)^2=0\)という方程式を解くと\(a(x-p)^2+q\)が一番小さくなる\(x\)の値を求められる。
方程式\(a(x-p)^2=0\)を解くと\(x=p\)となる。
\(y=a(x-p)^2+q\)において\(x=p\)のとき、\(y=q\)となる。
この\(y=q\)が\(y\)の最小値であり、\(x=p,y=q\)という座標「点\((p,q)\)」が頂点だということがわかる。
頂点が分かったので、次にを考える。
2次関数のグラフの放物線の対称軸は頂点を通るので、必然的に「直線\(x=p\)」がとなる。
最後に\(y\)切片を考える。
\(y\)切片を考えるときは\(y=ax^2+bx+c\)の形で考える。
\(y\)切片は\(x=0\)のときの\(y\)の値なので、\(y=ax^2+bx+c\)に\(x=0\)を代入する。
ということで、\(c\)が\(y\)切片になる。
グラフを表すときは、頂点と\(y\)切片の値を書き込む。

こんな感じ。

上に凸のグラフ

今度は\(a\)がマイナス\((a\)<\(0)\)のときを考えるんだけど、グラフは上に凸になるだけであとはほとんど同じ。
グラフを表すときは、頂点と\(y\)切片の値を書き込む。

こんな感じ。
これで放物線の形、凸の向き、軸と頂点、平方式の作り方、グラフの表し方が分かった。
といっても、文字ばっかりでよく分からないので数字の入った例題で考えていく。

例題

例題を解きながらグラフのかき方、軸と頂点の求め方を確認する。

2次関数のグラフ

①まず平方式に平方完成する。

これで平方式に平方完成できた。

②軸と頂点を確認する。

\(y=a(x-p)^2+q\)でいうと「直線\(x=p\)」が軸、「点\((p,q)\)」が頂点になるので、軸と頂点が分かる。

こんな感じ。

③「凸の向き」「頂点」「\(y\)切片」からグラフへ表す。
「凸の向き」上に凸
「頂点」\((\frac{3}{4},\frac{1}{8})\)
「\(y\)切片」\(-1\)

これでグラフがかけて、軸と頂点を求めることができた。

分数を含む2次関数のグラフ

①まず平方式に平方完成する。

これで平方式に平方完成できた。

②軸と頂点を確認する。

\(y=a(x-p)^2+q\)でいうと「直線\(x=p\)」が軸、「点\((p,q)\)」が頂点になるので、軸と頂点が分かる。

こんな感じ。

③「凸の向き」「頂点」「\(y\)切片」からグラフへ表す。
「凸の向き」下に凸
「頂点」\((3,-\frac{2}{3})\)
「\(y\)切片」\(\frac{7}{3}\)

これでグラフがかけて、軸と頂点を求めることができた。

定義を知る

2次関数 2次式の関数。
\(y=ax^2+bx+c\)
(\(a,b,c\)は定数、\(a≠0\))
2次式 最も次数の高い項の次数が「2」の式。
放物線 投げた物が描く軌跡のこと。った放物線
凸の向き \(a\)がプラス\((a\)>\(0)\)のときは下に凸
\(a\)がマイナス\((a\)<\(0)\)のときは上に凸になる。
放物線の対称軸。
\(y=a(x-p)^2+q\)でいうと「直線\(x=p\)」が軸になる。
頂点 軸と放物線の交点。
\(y=a(x-p)^2+q\)でいうと「点\((p,q)\)」が頂点になる。
平方式
\(a(x-p)^2+q\)
完全平方式
\((x-p)^2\)
平方完成 2次の多項式を平方式や完全平方式に変形させること。

凸の向き

軸と頂点

まとめ

数式を理解するためには、可視化できるグラフがメッチャ便利。
2次関数のグラフを表すためには平方式に式変形できることが大前提。
①まず平方式に平方
②軸と頂点を確認する。
③「凸の向き」「頂点」「\(y\)切片」からグラフへ表す。
このステップを踏めば2次関数をグラフに表すことができる。
もし数式とグラフが矛盾している場合は計算ミスしている可能性が高い。

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