| ・\(A+B=B+A\) ・\(AB=BA\) |
|
| ・\((A+B)+C=A+(B+C)\) ・\((AB)C=A(BC)\) |
|
| ・\(A(B+C)=AB+AC\) ・\((A+B)C=AC+BC\) |
こんな感じの法則は集合においてもあるみたい。

とりあえず覚えておきたい基本的な法則は
交換法則、統合法則、分配法則はそれぞれ交換律、統合律、分配律と呼んだりもする。
法則を暗記するというよりは、法則の意味を理解する方針で接していきたい。
- 交換法則
- 統合法則
- 分配法則
交換法則、統合法則、分配法則はそれぞれ交換律、統合律、分配律と呼んだりもする。
法則を暗記するというよりは、法則の意味を理解する方針で接していきたい。

交換法則は、順番を入れ替えても変わらないという法則のこと。
任意の要素\(x\)について、左辺(\(A∩B\))より\(A∩B=\{x|x∈A\)かつ\(x∈B\}\)
このとき、「\(x∈A\)かつ\(x∈B\)」は「\(x∈B\)かつ\(x∈A\)」ともいえるので、
\(B∩A=\{x|x∈B\)かつ\(x∈A\}\)
となり
\(A∩B⊂B∩A\)・・・①
が成り立つ。
右辺(\(B∩A\))より\(B∩A=\{x|x∈B\)かつ\(x∈A\}\)
このとき、「\(x∈B\)かつ\(x∈A\)」は「\(x∈A\)かつ\(x∈B\)」ともいえるので、
\(A∩B=\{x|x∈A\)かつ\(x∈B\}\)
となり
\(B∩A⊂A∩B\)・・・②
が成り立つ。
①と②が同時に成り立つので \[A∩B=B∩A\] が成り立つ。
和集合の交換法則も同様の考え方で示せる。
よって \[A∩B=B∩A\] \[A∪B=B∪A\] が成り立つ。
- 共通部分\[A∩B=B∩A\]
(「\(A\)かつ\(B\)」と「\(B\)かつ\(A\)」は同じ) - 和集合\[A∪B=B∪A\]
(「\(A\)または\(B\)」と「\(B\)または\(A\)」は同じ)
任意の要素\(x\)について、左辺(\(A∩B\))より
\(A∩B⊂B∩A\)・・・①
が成り立つ。
右辺(\(B∩A\))より
\(B∩A⊂A∩B\)・・・②
が成り立つ。
①と②が同時に成り立つので \[A∩B=B∩A\] が成り立つ。
和集合の交換法則も同様の考え方で示せる。
よって \[A∩B=B∩A\] \[A∪B=B∪A\] が成り立つ。

統合法則は、どこから先にまとめても良い法則のこと。
任意の要素\(x\)について、左辺(\((A∩B)∩C\))より\((A∩B)∩C=\{x|x∈A∩B\)かつ\(x∈C\}\)
\(A∩B=\{x|x∈A\)かつ\(x∈B\}\)より
\((A∩B)∩C=\{x|x∈A\)かつ\(x∈B\)かつ\(x∈C\}\)
このとき、「\(x∈A\)かつ\(x∈B\)かつ\(x∈C\)」は「\(x∈A\)かつ(\(x∈B\)かつ\(x∈C\))」ともいえるので、
\(A∩(B∩C)=\{x|x∈A\)かつ\(x∈B∩C\}\)
となり
\((A∩B)∩C⊂A∩(B∩C)\)・・・①
が成り立つ。
右辺(\(A∩(B∩C)\))より\(A∩(B∩C)=\{x|x∈A\)かつ\(x∈B∩C\}\)
\(B∩C=\{x|x∈B\)かつ\(x∈C\}\)より
\(A∩(B∩C)=\{x|x∈A\)かつ\(x∈B\)かつ\(x∈C\}\)
このとき、「\(x∈A\)かつ\(x∈B\)かつ\(x∈C\)」は「(\(x∈A\)かつ\(x∈B\))かつ\(x∈C\)」ともいえるので、
\((A∩B)∩C=\{x|x∈A∩B\)かつ\(x∈C\}\)
となり
\(A∩(B∩C)⊂(A∩B)∩C\)・・・② が成り立つ。
①と②が同時に成り立つので
\[(A∩B)∩C=A∩(B∩C)\]
が成り立つ。
和集合の統合法則も同様の考え方で示せる。
よって \[(A∩B)∩C=A∩(B∩C)\] \[(A∪B)∪C=A∪(B∪C)\] が成り立つ。
- 共通部分\[(A∩B)∩C=A∩(B∩C)\]
(「[\(A\)かつ\(B\)]かつ\(C\)」と「\(A\)かつ[\(B\)かつ\(C\)]」は同じ) - 和集合\[(A∪B)∪C=A∪(B∪C)\]
(「[\(A\)または\(B\)]または\(C\)」と「\(A\)または[\(B\)または\(C\)]」は同じ)
任意の要素\(x\)について、左辺(\((A∩B)∩C\))より
\((A∩B)∩C⊂A∩(B∩C)\)・・・①
が成り立つ。
右辺(\(A∩(B∩C)\))より
\(A∩(B∩C)⊂(A∩B)∩C\)・・・② が成り立つ。
①と②が同時に成り立つので
\[(A∩B)∩C=A∩(B∩C)\]
が成り立つ。
和集合の統合法則も同様の考え方で示せる。
よって \[(A∩B)∩C=A∩(B∩C)\] \[(A∪B)∪C=A∪(B∪C)\] が成り立つ。

分配法則は、ひとつの条件をそれぞれに配っても意味が変わらない法則のこと。
配る前にまとめても、まとめてから配っても、同じ結果になる。
任意の要素\(x\)について、左辺(\(A∩(B∪C)\))より\(A∩(B∪C)=\{x|x∈A\)かつ\(x∈B∪C\}\)
「\(x∈A\)かつ\(x∈B∪C\)」というのは「\(x∈A\)かつ\(x∈B\)」または「\(x∈A\)かつ\(x∈C\)」ということなので
\((A∩B)∪(A∩C)=\{x|x∈A∩B\)または\(x∈A∩C\}\)
となり
\(A∩(B∪C)⊂(A∩B)∪(A∩C)\)・・・①
が成り立つ。
右辺((A∩B)∪(A∩C))より\((A∩B)∪(A∩C)=\{x|x∈A∩B\)または\(x∈A∩C\}\)
「\(x∈A∩B\)または\(x∈A∩C\)」というのは「\(x∈A\)」かつ「\(x∈B\)または\(x∈C\)」ということなので
\(A∩(B∪C)=\{x|x∈A\)かつ\(x∈B∪C\}\)
となり
\((A∩B)∪(A∩C)⊂A∩(B∪C)\)・・・②
が成り立つ。
①と②が同時に成り立つので \[A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)\] が成り立つ。
和集合の分配法則も同様の考え方で示せる。
よって \[A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)\] \[A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)\] が成り立つ。
配る前にまとめても、まとめてから配っても、同じ結果になる。
- 共通部分\[A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)\]
(「\(A\)かつ[\(B\)または\(C\)]」と「[\(A\)かつ\(B\)]または[\(A\)かつ\(C\)]」は同じ) - 和集合\[A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)\]
(「\(A\)または[\(B\)かつ\(C\)]」と「[\(A\)または\(B\)]かつ[\(A\)または\(C\)]」は同じ)
任意の要素\(x\)について、左辺(\(A∩(B∪C)\))より
\(A∩(B∪C)⊂(A∩B)∪(A∩C)\)・・・①
が成り立つ。
右辺((A∩B)∪(A∩C))より
\((A∩B)∪(A∩C)⊂A∩(B∪C)\)・・・②
が成り立つ。
①と②が同時に成り立つので \[A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)\] が成り立つ。
和集合の分配法則も同様の考え方で示せる。
よって \[A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)\] \[A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)\] が成り立つ。
☆多項式と集合
集合の分配法則は少しややこしく見えるけど、多項式の分配法則の形と比較してみると、やっていることは同じだということが分かる。共通部分の分配法則における\(∩\)を\(×\)、\(∪\)を\(+\)に置き換えてみると
\[A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)\]
\[A×(B+C)=(A×B)+(A×C)\]
となり、多項式の分配法則
\[A(B+C)=AB+AC\]
と同じ形になる。また、和集合の分配法則においては\(∪\)を\(×\)、\(∩\)を\(+\)に置き換えてみると
\[A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)\]
\[A×(B+C)=(A×B)+(A×C)\]
となり、同様に多項式の分配法則
\[A(B+C)=AB+AC\]
と同じ形になる。あくまで「分配の形が似ている」という点に注目しているため、\(∩\)が必ず\(×\)、\(∪\)が必ず\(+\)に対応するというわけではない。
-1024x197.png)
例題を解きながら、集合の法則がどのように問題として出てくるのかを確認していく。

とりあえず、\(ABC\)が重なるように丸を3つ描く。

問題文から

\(A=\{\)偶数\(\}\)
\(B=\{\)3の倍数\(\}\)
\(C=\{\)5の倍数\(\}\)
それぞれの集合はこんな感じ。
全ての集合の要素となるのは、\(30\)以下の\(3\)と\(5\)の公倍数のうち偶数である\(30\)のみなので、真ん中に\(30\)を書く。

\(A∩B=\{\)\(6,12,18,24\)\(,30\}\)
\(B∩C=\{\)\(15\)\(,30\}\)
\(C∩A=\{\)\(10,20\)\(,30\}\)

それぞれの集合で、共通部分に出てこなかった数を書く。


これでベン図が描けた。

ベン図で見ると

こんな感じ。

ベン図で見ると

また、分配法則より \[A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)\] と考えてもよき。
この場合、\(30\)以下の自然数のうち「[偶数かつ\(3\)の倍数]または[偶数かつ\(5\)の倍数]」となるので
[偶数かつ\(3\)の倍数] \[A∩B=\{6,12,18,24,30\}\] [偶数かつ\(5\)の倍数] \[A∩C=\{10,20,30\}\] [偶数かつ\(3\)の倍数]または[偶数かつ\(5\)の倍数] \[(A∩B)∪(A∩C)=\{6,10,12,18,20,24,30\}\] こんな感じになって答えが同じになることが分かる。
こっちの方がなんとなく分かりやすい。

ちょっと分かりにくいので、ド・モルガンの法則\(\overline{A∩B}=\overline{A}∪\overline{B}\)より \[(\overline{A∩B})∩C\] となり、「[偶数かつ\(3\)の倍数]でないかつ\(5\)の倍数」となる。
[偶数かつ\(3\)の倍数] \[A∩B=\{6,12,18,24,30\}\] [偶数かつ3の倍数]でないかつ5の倍数 \[(\overline{A∩B})∩C=\{5,10,15,20,25\}\] 求めるべきは\((\overline{A}∪\overline{B})∩C\)なので \[(\overline{A}∪\overline{B})∩C=\{5,10,15,20,25\}\] これが答え。
ベン図で見ると

こんな感じ。
-1024x218.png)
| 集合と集合の関係を図で表したもの | |
| 範囲がはっきりしているものの集まり | |
\(a∈A\) |
\(a\)は\(A\)に属する \(a\)は\(A\)の要素 |
\(U\) |
すべての要素をまとめた集合 |
\(A∩B\) |
\(A\)かつ\(B\) |
\(A∪B\) |
\(A\)または\(B\) |
\(\overline{A}\) |
全体集合の要素で、集合\(A\)に属さない要素全体の集合 |
| \[A∩B=B∩A\]\[A∪B=B∪A\] | |
| \[(A∩B)∩C=A∩(B∩C)\]\[(A∪B)∪C=A∪(B∪C)\] | |
| \[A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)\]\[A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)\] |
-1024x691.png)
集合における基本的な法則は
単に式を暗記するよりも、それぞれの法則が表している意味を理解して、集合の条件を整理する考え方として使っていきたい。
特に分配法則は、「\(A\)かつ[\(B\)または\(C\)]」「[\(A\)かつ\(B\)]または[\(A\)かつ\(C\)]」のように、条件の見方を切り替えるための道具として有効で、実際の問題でも集合を整理するのが楽になる。
集合の問題は
- 交換法則
- 統合法則
- 分配法則
単に式を暗記するよりも、それぞれの法則が表している意味を理解して、集合の条件を整理する考え方として使っていきたい。
特に分配法則は、「\(A\)かつ[\(B\)または\(C\)]」「[\(A\)かつ\(B\)]または[\(A\)かつ\(C\)]」のように、条件の見方を切り替えるための道具として有効で、実際の問題でも集合を整理するのが楽になる。
集合の問題は
- 言葉に直す
- ベン図で整理する
- 法則を使って形を変える
ことで、落ち着いて処理できるようになる。
ド・モルガンの法則も合わせて使うことで、より複雑な集合の問題も整理しやすくなる。
すうがくのいえ 