文字を含む放物線と直線の共有点の求め方

放物線と直線の共有点の求め方」で放物線と直線の共有点の求め方が分かった。
今度は、式の中に文字が含まれていた場合、どのように解いていけば良いか考えていく。

文字を含む放物線と直線の共有点

やることは基本的に「放物線と直線の共有点の求め方」と同じ。
違いは、計算の中に文字が入る分、整理や不等式処理が少し増えるだけ。

(1)

まず、与えられた放物線と直線の方程式を連立させて、\(y\)を消去して式を整理する。
判別式\(D=b^2-4ac\)より
\(D\)\(=b^2-4ac=4^2-4(a+1)=16-4a-4\)\(=-4a+12\)
問題文から、共有点を持つように定数\(a\)の値の範囲を求めなければならない。
「共有点を持つ」ということは「\(D≥0\)」ということ。
なので「\(-4a+12≥0\)」という式を立てることができる。
これを解くと、
よって \[a≤3\] これが答え。
グラフで表すと

こんな感じ。

(2)

まず、与えられた放物線と直線の方程式を連立させて、\(y\)を消去して式を整理する。
判別式\(D=b^2-4ac\)より
\(D\)\(=b^2-4ac=(-2)^2-4・(-k)\)\(=4+4k\)
\(D\)の符号による共有点の個数は、
・\(D\)>\(0\)のとき、共有点2個
・\(D\)=\(0\)のとき、共有点1個
・\(D\)<\(0\)のとき、共有点なし

となるので、それぞれ場合分けして考える。
よって
\(k\)>\(-1\)のとき共有点2個
\(k\)=\(-1\)のとき共有点1個
\(k\)<\(-1\)のとき共有点なし
これが答え。
グラフで表すと

こんな感じ。

例題

例題を解きながら、文字を含む放物線と直線の共有点の求め方を確認する。

(1)

まず、与えられた放物線と直線の方程式を連立させて、\(y\)を消去して式を整理する。
判別式\(D=b^2-4ac\)より
\(D\)\(=b^2-4ac=(a-1)^2-4(a-2)=a^2-2a+1-4a+8\)\(=a^2-6a+9\)
問題文から、接するように定数\(a\)の値を求めなければならない。
「接する」ということは「\(D=0\)」ということ。
なので「\(a^2-6a+9=0\)」という式を立てることができる。
これを解くと、
\(a=3\)を①に代入して\(x\)座標を求める。
\(x=-1\)を直線\(y=x+2\)に代入して\(y\)座標を求める。
\(y\)\(=x+2=-1+2\)\(=1\)
よって
\(a=3\)のとき接点の座標は\((-1,1)\)
これが答え。
グラフで表すと

こんな感じ。

(2)

まず、与えられた放物線と直線の方程式を連立させて、\(y\)を消去して式を整理する。
判別式\(D=b^2-4ac\)より
\(D\)\(=b^2-4ac=(2k-2)^2-4k^2=4k^2-8k+4-4k^2\)\(=-8k+4\)
\(D\)の符号による共有点の個数は、
・\(D\)>\(0\)のとき、共有点2個
・\(D\)=\(0\)のとき、共有点1個
・\(D\)<\(0\)のとき、共有点なし

となるので、それぞれ場合分けして考える。
よって
\(k\)<\(\frac{1}{2}\)のとき共有点2個
\(k\)=\(\frac{1}{2}\)のとき共有点1個
\(k\)>\(\frac{1}{2}\)のとき共有点なし
これが答え。
グラフで表すと

こんな感じ。

定義を知る

放物線
\(y=ax^2+bx+c\)と表し、U字の形をしている
2次関数のグラフ
直線
\(y=mx+n\)と表し、真っ直ぐな線
1次関数のグラフ
連立方程式
複数の変数を含む複数の方程式
共有点
2つ以上の関数や図形が共通して持つ点
判別式
\(D=b^2-4ac\)

解の公式の

ここが判別式

合わせて読みたい

判別式の使い方

まとめ

放物線と直線の共有点を求めるとき、文字が入っているとグラフが疑似的に動く。
やることは基本的に「放物線と直線の共有点の求め方」と同じ。
違いは、計算の中に文字が入る分、整理や不等式処理が少し増えるだけ。
問題文をしっかり読み解いて、場合分けして考えることで解くことができる。

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