放物線と直線の共有点の求め方

共有点ってなに?関数や図形が交わる点」で共有点が何なのか分かった。
今度は放物線と直線との共有点の有無や座標を求めていく。

放物線と直線の共有点

放物線は\(y=ax^2+bx+c\)と表し、U字の形をしている。

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直線は\(y=mx+n\)と表し、真っ直ぐな線。

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共有点は、2つ以上の関数や図形が共通して持つ点のこと。
ここでは、放物線と直線が共通して持つ点となる。

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共有点ってなに?関数や図形が交わる点

こんな感じ。
これが放物線と直線の共有点となる。
放物線と直線の共有点の個数や座標は計算で求めることができる。

連立方程式から求める

放物線\(y=ax^2+bx+c\)と直線\(y=mx+n\)の共有点の座標は、
連立方程式 \(\left\{\begin{array}{l}\displaystyle y=ax^2+bx+c \\ y=mx+n \\ \end{array} \right.\)の実数解\((x,y)\)
で求めることができる。
\(y=mx+n\)の\(y\)に\(y=ax^2+bx+c\)を代入すると \[ax^2+bx+c=mx+n\] となり、\(y\)を消去することができる。
右辺を左辺に移項し、同類項でまとめると \[ax^2+(b-m)x+c-n=0\] 2次方程式の形になる。
この2次方程式における異なる実数解が共有点の\(x\)座標となる。
例えば、放物線\(y=x^2-1\)と直線\(y=x+1\)の共有点の座標は、
\[ \left\{\begin{array}{l}\displaystyle y=x^2-1 \\ y=x+1 \\ \end{array} \right. \] と連立方程式を立てて解くことで求めることができる。
\(y\)を消去すると、 \[x^2-1=x+1\] となり、右辺を左辺に移項し、同類項でまとめて因数分解すると
こんな感じになる。
\(x=2,-1\)を放物線\(y=x^2-1\)か直線\(y=x+1\)のどちらかに代入して\(y\)の値を求める。
放物線\(y=x^2-1\)において、\(x=2\)のとき\(y=3\)、\(x=-1\)のとき\(y=0\)
直線\(y=x+1\)において、\(x=2\)のとき\(y=3\)、\(x=-1\)のとき\(y=0\)
放物線から求めても直線から求めても\(y\)の値は同じになる。
よって、
共有点の座標は\((2,3),(-1,0)\)
これが答え。
グラフで表すと

こんな感じ。

共有点の個数

共有点の個数は、共有点の座標を求めることでその個数が分かるが、わざわざ共有点の座標まで求めなくても、個数のみを求めることができる。
さっきの \[ax^2+(b-m)x+c-n=0\] これを、放物線\(y=ax^2+(b-m)x+c-n\)と捉えることで、\(y=0\)のときの\(x\)の値、つまり\(x\)軸との共有点と考えることができる。
放物線\(y=ax^2+bx+c\)を\(y=f(x)\)
直線\(y=mx+n\)を\(y=g(x)\)
とすると、
放物線\(y=ax^2+(b-m)x+c-n\)は\(y=F(x)=f(x)-g(x)\)
となる。
この\(y=F(x)\)のグラフと\(x\)軸との位置関係から、放物線\(y=f(x)\)と直線\(y=g(x)\)の共有点の個数を考えることができるようになる。
\(x\)軸との共有点の個数は、\(D\)の符号により求めることができる。
\(D=b^2-4ac\)より\(D=(b-m)^2-4a(c-n)\)から共有点の個数を求めることとなる。
\(D\)の符号による共有点の個数は、
・\(D\)>\(0\)のとき、共有点2個
・\(D\)=\(0\)のとき、共有点1個
・\(D\)<\(0\)のとき、共有点なし
となる。
これがそのまま、放物線\(y=f(x)\)と直線\(y=g(x)\)の共有点の個数になる。

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2次関数におけるx軸との共有点の求め方 \(y=F(x)\)のグラフと\(x\)軸との共有点の\(x\)座標は、\(y=f(x)\)と\(y=g(x)\)との共有点の\(x\)座標となる。
例えば、放物線\(y=x^2-1\)と直線\(y=x+1\)の共有点で考えると、\(x^2-x-2=0\)から、
放物線\(y=x^2-x-2\)と\(x\)軸との共有点の個数を、
放物線\(y=x^2-1\)と直線\(y=x+1\)の共有点の個数と捉えることができる。
放物線\(y=x^2-x-2\)の係数について\(D=b^2-4ac\)より
\(D\)\(=b^2-4ac=(-1)^2-4・1・(-2)=1+8=9\)>\(0\)
\(D>0\)のとき共有点は2個となるので、放物線\(y=x^2-1\)と直線\(y=x+1\)の共有点の個数は2個ということが分かる。
\(x^2-x-2=0\)を解くことで、\(x=-1,2\)が得られるので、放物線\(y=x^2-x-2\)と\(x\)軸との共有点の座標は、\((-1,0),(2,0)\)ということが分かる。
放物線\(y=x^2-x-2\)のグラフと\(x\)軸との共有点の\(x\)座標は、放物線\(y=x^2-1\)と直線\(y=x+1\)との共有点の\(x\)座標となる。
\(-1\)\(2\)が同じになる。

例題

例題を解きながら、放物線と直線の共有点の求め方を確認する。

(1)

連立方程式を

とたてて、①と②から\(y\)を消去して整理し、因数分解する。
①に\(x=-2,1\)を代入する。
よって、
共有点の座標は\((-2,4),(1,1)\)
これが答え。
グラフで表すと

こんな感じ。

(2)

連立方程式を

とたてて、①と②から\(y\)を消去して整理し、因数分解する。
②に\(x=-2\)を代入する。
よって、
共有点の座標は\((-2,-3)\)
これが答え。
グラフで表すと

こんな感じ。

(3)

連立方程式を

とたてて、①と②から\(y\)を消去して整理する。
判別式\(D=b^2-4ac\)より
\(D\)\(=b^2-4ac=(-6)^2-4・4・5=36-80=-44\)<\(0\)
\(D\)<\(0\)なので、この2次方程式は実数解をもたない。
よって、
放物線①と直線②の共有点はない
これが答え。
グラフで表すと

こんな感じ。

定義を知る

放物線
\(y=ax^2+bx+c\)と表し、U字の形をしている
2次関数のグラフ
直線
\(y=mx+n\)と表し、真っ直ぐな線
1次関数のグラフ
連立方程式
複数の変数を含む複数の方程式
共有点
2つ以上の関数や図形が共通して持つ点
判別式
\(D=b^2-4ac\)

解の公式の

ここが判別式

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判別式の使い方

まとめ

放物線と直線の共有点の座標は、連立方程式の実数解で求めることができる。
そのため、因数分解や方程式を解く力が重要になる。
次は、式の中に文字が含まれていた場合、どのように解いていけば良いか考えていこうと思う。

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