関数はグラフに表すことができる。
グラフに表すことで数式を可視化できる。
グラフはメッチャ便利。
書けるようになっておいた方が良い。
グラフっていうのは、
こんな感じのやつ。
とりあえずこれをグラフって呼ぶ。
細かく見てみよう。
グラフは平面上に縦と横の数直線を描いて考える。
まず、\(x\)の取り得る値の範囲を横の数直線で表して、矢印の先に\(x\)って書く。 この長い横の棒を\(x\)軸って呼んだりする。
次に、\(y\)の取り得る値の範囲を縦の数直線で表して、矢印の先に\(y\)って書く。 この長い縦の棒を\(y\)軸って呼んだりする。
この\(x\)軸と\(y\)軸のことを座標軸って呼ぶ。 この\(x\)軸と\(y\)軸の交わる箇所はOって書く。
\(0\)(ゼロ)ではなく、O(オー)って書く。
このOを原点Oって呼ぶ。
つまり座標の基準点的な視点で見れば原点O(オー)で、数値的に見れば\(0\)(ゼロ)ということになる。もし、数値\(0\)以外の点を基準にした時、そのグラフの基準点は原点Oだけど、その原点Oの数値は\(0\)ではないということになる。
この\(x\)軸と\(y\)軸みたいな座標軸が描かれた平面のことを座標平面って呼ぶ。 この座標平面には、\(x=a,y=b\)に対応する点を、点\(P\)として表すことができる。
この点\(P\)の位置を表す\(x\)と\(y\)の値を座標って呼ぶ。
「\(P\)の\(x\)の座標は\(a\)」
「\(P\)の\(y\)の座標は\(b\)」
「\(P\)の座標は\((a,b)\)」
みたいな言い方をする。
ちなみに「\(P\)」は点という意味の英単語「point(ポイント)」の頭文字から来ている。
座標は、点の位置を表している。
座標軸は、座標を決めるための基準になっている。
座標平面は、ある点の位置を座標で表すことができる。
こんな感じ。
それらを踏まえてグラフというのは、関数を座標平面上に可視化ものということ。
座標平面上に描いた点が大体どの辺りにあるのかを表すときに「象限」っていう言葉を使う。
座標平面は座標軸によって4つの領域に区切られている。
この4つの領域のことを象限って呼ぶ。
ある点が座標平面のどの象限に属しているかを表すために、それぞれの象限に名前が付いている。
第1象限:\((x,y)=(+,+)\)
第2象限:\((x,y)=(-,+)\)
第3象限:\((x,y)=(-,-)\)
第4象限:\((x,y)=(+,-)\)
こんな感じ。
この反時計回りの順番になっているのは、角度について考えてみるとなんとなく納得できる。
座標平面における角度は\(x\)軸を基準に反時計回りに考える。
第1象限:\(0°\)~\(90°\)
第2象限:\(90°\)~\(180°\)
第3象限:\(180°\)~\(270°\)
第4象限:\(270°\)~\(360°\)
こんな感じ。
「象限」という言葉は「象限儀」という昔の万能定規のような道具が由来なのではないかと言われている。
象限儀は円を4等分したときに出来る扇形の形をしていて、四分儀とも呼ばれている。象限儀は、天体観測の高度計、測量道具、航海道具、時計…って感じにいろんな用途に使われていた。そのことから、「森羅万象」という四字熟語にも使われている「いろんな」という意味の「万象」のうちの「象」と、「有限」「期限」とかの「区切る」という意味の「限」で「象限儀」って呼ぶようになった。
明治時代辺りになって、座標平面を座標軸によって4つに区切られた領域の呼び方を日本語で決める時に、区切られた4つの領域を象限儀に見立てて「象限」と呼ぶようになった。
実際に1次関数を座標平面にグラフとして表してみる。
この1次関数を座標平面に表してみる。
とりあえず\(x\)を\(-3\)~\(3\)くらいの範囲で\(y\)の値を求めてみる。
\(x=-3\)のとき\(y=-6\)
\(x=-2\)のとき\(y=-5\)
\(x=-1\)のとき\(y=-4\)
\(x=0\)のとき\(y=-3\)
\(x=1\)のとき\(y=-2\)
\(x=2\)のとき\(y=-1\)
\(x=3\)のとき\(y=0\)
こんな感じになった。
それぞれ座標平面に表していく。
点と点を直線で結んで式を書く。
これで\(y=x-3\)のグラフが描けた。
この1次関数を座標平面に表してみる。
慣れてきたら少ない数の点でグラフを描いてみる。
とりあえず\(x\)を\(-2,0,2\)くらいの3つで\(y\)の値を求めてみる。
\(x=-2のときy=8\)
\(x=0のときy=4\)
\(x=2のときy=0\)
こんな感じになった。
それぞれ座標平面に表していく。
点と点を直線で結んで式を書く。
これで\(y=-2x+4\)のグラフが描けた。
基本的に1次関数は\(y=ax+b\)って表す。
\(y,x\)は変数で\(a,b\)は定数。
この定数のうち、\(a\)を傾き、\(b\)を切片って呼ぶ。
この「傾き」と「切片」は一体何なのか。
グラフでどう表されるのか見てみる。
まずは分かりやすい「切片」から見てみる。
切片は\(x=0\)のときの\(y\)の値のこと。
言い換えれば\(y\)軸との交点のこと。 切片は、「\(b\)>\(0\)」「\(b=0\)」「\(b\)<\(0\)」の3パターン考えられる。
切片のみを考えたいので傾きはとりあえず固定で\(a=1\)とかにしておく。 \(b\)>\(0\)のとき、切片は\(x\)軸よりも上にくる。
\(b=0\)のとき、切片は原点Oを通る。
\(b\)<\(0\)のとき、切片は\(x\)軸よりも下にくる。
こんな感じ。
これが切片。
あ、ちなみに「切片(せっぺん)」って読む。
1次関数では「切片」といえば主に「\(y\)切片」のことを指している。
傾きは変化の割合のこと。
言い換えれば\(x\)軸からの傾き具合のこと。 傾きも、「\(a\)>\(0\)」「\(a=0\)」「\(a\)<\(0\)」の3パターン考えられる。
傾きのみを考えたいので切片はとりあえず固定で\(b=1\)とかにしておく。 \(a\)>\(0\)のとき、右上がりの直線になる。
\(a=0\)のとき、\(x\)軸に平行で、\(y\)軸に垂直になる。
\(a\)<\(0\)のとき、右下がりの直線になる。
こんな感じ。
これが傾き。
あ、ちなみに「傾き(かたむき)」って読む。
「1次関数\(y=ax+b\)」と表記されていると、必然的に「\(a≠0\)」という条件が付く。
それを単に直線\(y=ax+b\)って呼んだりする。
座標 | 点の位置。 |
座標軸 | 座標を決めるための基準の数直線。 ここでいう\(x\)軸と\(y\)軸のこと。 |
座標平面 | ある点の位置を座標で表すことができる平面のこと。 |
グラフ | 関数を座標平面上に可視化したもの。 |
象限 | 座標軸によって区切られた座標平面の4つの領域のこと。 |
・傾きと切片
関数のグラフの中で表される直線とか曲線は、無数の点が集まってできた線ということになる。
これは座標軸にも言えることで、数直線自体が有理数と無理数のすべての点の集まりを線と形容したものとなる。
そんな概念的なお話が難しさの根源となっているのかもしれない。
そもそも数字自体が概念みたいなものだからどれだけ自分の中に落とし込めるのかによって理解度が変わる。
数式を理解するためには、可視化できるグラフがメッチャ便利。
≪…関数のグラフの中で表される直線とか曲線は、無数の点が集まってできた線…≫から、数の言葉ヒフミヨ(1234)が、ながしかく(『自然比矩形』)から生まれる物語を2冊の絵本で・・・
すうがくでせかいをみるの
もろはのつるぎ (有田川町ウエブライブラリー)