公式を覚えているだけでは解けず、どんなときに最大になってどんなときに最小になるのかをイメージすることが大事になってくる。
特に、\(n(A∩B)\)の最大値・最小値の基本的な考え方は、ベン図を使って整理すると意外と分かりやすい。

集合\(A\)が有限集合のとき、その要素の個数は \[n(A)\] で表す。
つまり、\(n(A∩B)\)は集合\(A\)と集合\(B\)の共通部分\(A∩B\)の要素の個数ということ。
例えば、\(10\)未満の自然数を全体集合\(U\)、偶数の集合を\(A\)、3の倍数の集合を\(B\)としたとき \[n(U)=9\] \[n(A)=4\] \[n(B)=3\] \[n(A∩B)=1\] となる。
ベン図で見てみると

こんな感じ。
また、個数定理より

が成り立つということも、最大・最小を考える上で重要となる。

全体集合\(U\)、集合\(A\)、集合\(B\)のそれぞれの要素の個数が分かっていても、それだけでは共通部分や和集合、補集合などの要素の個数までは分からない。
先程の変形させた個数定理の式から \[n(A∩B)=n(A)+n(B)-n(A∪B)\]
和集合の要素の個数\(n(A∪B)\)が小さいほど\(n(A∩B)\)は大きくなり、\(n(A∪B)\)が大きいほど\(n(A∩B)\)は小さくなる。
これが\(n(A∩B)\)の最大・最小の考え方。
先程の変形させた個数定理の式から \[n(A∩B)=n(A)+n(B)-n(A∪B)\]
- 左辺の\(n(A∩B)\)が大きくなるのは右辺の\(n(A∪B)\)が小さくなるとき
- 左辺の\(n(A∩B)\)が小さくなるのは右辺の\(n(A∪B)\)が大きくなるとき
和集合の要素の個数\(n(A∪B)\)が小さいほど\(n(A∩B)\)は大きくなり、\(n(A∪B)\)が大きいほど\(n(A∩B)\)は小さくなる。
これが\(n(A∩B)\)の最大・最小の考え方。

\(n(A∩B)\)が最大になるときは、\(n(A∪B)\)が最小となり、部分集合の形になっている。
つまり、\(A⊃B\)または\(B⊃A\) のとき \(n(A∩B)\)は最大になる。
同時に、\(n(\overline{A∪B})\)も最大となっている。
\(A⊃B\)のとき、\(A∪B=A\)となるから、\(n(A∪B)=n(A)\)となることが分かる。
これを個数定理に代入すると
つまり、\(A⊃B\)または\(B⊃A\) のとき \(n(A∩B)\)は最大になる。
- \(A⊃B\)のとき\[n(A∩B)=n(B)\]
- \(B⊃A\)のとき\[n(A∩B)=n(A)\]
同時に、\(n(\overline{A∪B})\)も最大となっている。
\(A⊃B\)のとき、\(A∪B=A\)となるから、\(n(A∪B)=n(A)\)となることが分かる。
これを個数定理に代入すると

また、\(B⊃A\)のとき\(A∪B=B\)となるから、\(n(A∪B)=n(B)\)となることが分かる。
これを個数定理に代入すると

こんな感じに、個数定理からも最大値を求められることが分かる。
例えば、\(n(U)=40,n(A)=23,n(B)=16\)とすると、\(n(A∩B)\)が最大となるのは\(A⊃B\)のときなので \[n(A∩B)=n(B)=16\] となる。

\(n(A∩B)\)が最小になるときは、\(n(A∪B)\)が最大となり、同時に\(n(\overline{A∪B})\)は最小となっている。
\(A∪B=U\)のとき\(n(A∪B)=n(U)\)となるので、これを個数定理に代入すると
- \(n(A)+n(B)\)>\(n(U)\)のとき\(A∪B=U\)より\[n(A∩B)=n(A)+n(B)-n(U)\]
- \(n(A)+n(B)≦n(U)\)のとき\[n(A∩B)=0\]
\(A∪B=U\)のとき\(n(A∪B)=n(U)\)となるので、これを個数定理に代入すると

集合\(A\)と集合\(B\)の要素の個数の合計が、全体集合の要素の個数を下回っていた場合、集合\(A\)と集合\(B\)は重ならず、共通部分の要素の個数の最小は\(0\)となる。
例えば、\(n(U)=40,n(A)=23,n(B)=16\)とすると、\(n(A∩B)\)が最小となるのは\(A∪B=U\)のときなので \[n(A∩B)=n(A)+n(B)-n(U)=23+16-40=1\] となる。
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例題を解きながら、集合の要素の個数の最大・最小の求め方を確認していく。

ベン図で見ると

こんな感じ。

\(A⊃B\)のとき\(n(A∩B)=n(B)\)となり、\(n(A∩B)\)は最大になる。
よって
ベン図で見ると

また、\(A∪B=U\)のとき\(n(A∪B)=n(U)\)となり、\(n(A∩B)\)は最小になる。
よって

これが最小値となる。
ベン図で見ると

答えるべきは最大の人数と最小の人数なので


\(n(A∩B)\)が最大となるとき\(n(\overline{A}∩\overline{B})\)が最大となり、
\(n(A∩B)\)が最小となるとき\(n(\overline{A}∩\overline{B})\)が最小となることが分かる。
\(n(A∩B)\)の最大・最小は(1)を活用する。
\(n(A∩B)=70\)のとき
ベン図で見ると

こんな感じ。
-1024x218.png)
| 集合と集合の関係を図で表したもの | |
| 範囲がはっきりしているものの集まり | |
\(a∈A\) |
\(a\)は\(A\)に属する \(a\)は\(A\)の要素 |
\(U\) |
すべての要素をまとめた集合 |
\(A∩B\) |
\(A\)かつ\(B\) |
\(A∪B\) |
\(A\)または\(B\) |
\(\overline{A}\) |
全体集合の要素で、集合\(A\)に属さない要素全体の集合 |
| ・\(n(A∪B)=n(A)+n(B)-n(A∩B)\) ・\(n(\overline{A})=n(U)-n(A)\) |
|
| ・\(\overline{A∪B}=\overline{A}∩\overline{B}\) ・\(\overline{A∩B}=\overline{A}∪\overline{B}\) |
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どちらかがもう一方をすべて含むときに最大となり、\(A∪B\)が全体集合\(U\)になるときに最小となる。
個数定理やド・モルガンの法則を使えば、式変形から求めることもできる。
ベン図で確認すれば、より視覚的に理解しやすくなる。
すうがくのいえ 
