倍数の個数の求め方|1からと途中からの数え方

ある範囲の中に、特定の倍数が何個あるかを求める場面はよくある。
例えば

  • 1から100までの整数の中で、3の倍数は何個あるか
  • 100から200までの整数の中で、4の倍数は何個あるか

という感じの問題。
これらは、倍数の個数の求め方を知っていると簡単に計算することができる。

倍数の個数ってなに?

「倍数?」という文字と「個数?」という文字に悩んでいるイラストの画像
倍数とは、ある整数に整数をかけてできる数をいう。
例えば、3の倍数は\[3,6,9,12,15,\cdots\]という感じに、3ずつ増えていく。
これは
\(3×1=\)\(3\)
\(3×2=\)\(6\)
\(3×3=\)\(9\)
\(3×4=\)\(12\)
\(3×5=\)\(15\)
\(\cdots\)
のように
  • 3に整数をかけてできる数
ということができる。
この3の倍数を\(30\)まで\[3,6,9,12,15,18,21,24,27,30\]と並べると、「3の倍数の個数は10個」ということが分かる。
これが倍数の個数
こんな感じに、ある範囲の中に含まれる倍数の個数を数えることで、倍数の個数が分かる。

倍数の個数の求め方(1から数える)

途中省略された1から100までの整数の並びの中で3の倍数の数字のみ赤字になっている画像
数える範囲が広くなると、すべての倍数を並べて数えることが難しくなる。
そこで、割り算を使うことで倍数の個数を簡単に求めることができる。
例えば、
  • 1から100までの整数の中で、3の倍数は何個あるでしょうか。
という場合、\(100\)までに\(3\)のまとまりが何個入っているかという感じに考える。
3のまとまりごとに改行されてまとまりの個数を数える画像
まとまりを数えるとき、最後が必ず3の倍数になっているのが分かる。
\(100\)までに\(3\)のまとまりが何個入っているかを計算するので、「あまり」を使うと
\(100\div3=33\)あまり\(1\)
となる。
これは\(100\)の中に\(3\)ずつ区切ったまとまりが33個あって1個数字が余ったということ。
97から99までを33個目、100から102までを34個目と数え、101と102と34個目の文字を薄くして100があまりであることを表す画像
小数点で表す場合でも、 \[100\div3=33.333\cdots\] に対して、小数点以下を切り捨てることで
33個
と求めることができる。
これで
  • 1から100までの整数の中で、3の倍数は何個あるでしょうか。
の答えは「33個」ということが分かった。

同じやり方で他の倍数も求めることができる。
例えば、5の倍数は\(100\div5=20\)で20個、6の倍数は\(100\div6=16\)あまり\(4\)で16個という感じに求めることができる。
1から100までの整数の中で5の倍数と6の倍数を数えるために数字を並べた画像

一般化(1から数える)

1からNまでの整数の中で、kの倍数は何個あるか数えるための式を表した画像
\(1\)から\(N\)までの整数の中で、\(k\)の倍数の個数は
\(N\div k\)(小数は切り捨て)
で求めることができる。

倍数の個数の求め方(途中から数える)

途中省略された100から200までの整数の並びの中で4の倍数の数字のみ赤字になっている画像
倍数の個数は、必ずしも\(1\)から数えるとは限らない。
例えば、
  • 100から200までの整数の中で、4の倍数は何個あるでしょうか。
という場合、全体から前の部分を引くという感じに考える。
1から200の整数を並べ、4の倍数を赤字にして、1から99までを前の部分として薄くし、1から200までを全体とする画像
「\(1\)から\(200\)」から「\(1\)から\(99\)」を引くことで「\(100\)から\(200\)」が求まる。
まず、\(1\)から\(200\)までの4の倍数の個数は \[200\div4=50\] なので、50個あるということが分かる。
次に、\(1\)から\(99\)までの4の倍数の個数は
\(99\div4=24\)あまり\(3\)
なので、24個あるということが分かる。
100から200までの整数の中で4の倍数を数えるために数字を並べた画像
「全体」から「前の部分」を引くと \[50−24=26\] と求めることができる。
これで
  • 100から200までの整数の中で、4の倍数は何個あるでしょうか。
の答えは26個ということが分かった。

一般化(途中から数える)

AからBまでの整数の中で、kの倍数は何個あるか数えるための式を表した画像
\(A\)から\(B\)までの整数の中で、\(k\)の倍数の個数は
\(B\div k−(A−1)\div k\)(小数は切り捨て)
で求めることができる。

例題

「例題」という文字が書かれた画像。
横にした鉛筆を貫通するようなイラストが添えてある。

例題を解きながら、倍数の個数の求め方を確認していく。

倍数の個数の求め方を確認するための例題の画像

(1)1から数える問題

倍数の個数の求め方を確認するための例題の(1)を強調した画像
7の倍数の個数は \[500\div7\] で求める。
計算すると
\(500\div7=71\)あまり\(3\)
\(7\)のまとまりが71個あるということが分かる。
1から500までの整数の中で7の倍数を数えるために数字を並べた画像
よって
71個
これが答え。

(2)途中から数える問題

倍数の個数の求め方を確認するための例題の(2)を強調した画像
これは途中から数える問題なので
(\(1\)から\(1000\)まで)\(−\)(\(1\)から\(499\)まで)
で考える。
\(1\)から\(1000\)までの8の倍数の個数は \[1000\div8=125\] なので
125個
\(1\)から\(499\)までの8の倍数の個数は
\(499\div8=62\)あまり\(3\)
なので
62個
500から1000までの整数の中で8の倍数を数えるために数字を並べた画像
(\(1\)から\(1000\)まで)\(−\)(\(1\)から\(499\)まで)を計算すると \[125−62=63\] となる。
よって
63個
これが答え。
☆床関数(floor function)
小数点以下を切り下げる「整数部分の抽出」には、「床関数(ゆかかんすう)」というものが使われたりする。床関数は、実数\(x\)に対して\(x\)を超えない最大の整数と定義され、上が欠けたホッチキスの芯みたいな記号\(⌊x⌋\)によって表される。\(1\)から\(N\)までの整数の中で、\(k\)の倍数の個数は \[\left\lfloor\frac{N}{k}\right\rfloor\] と表すことができる。例えば\(1\)から\(100\)までの3の倍数の個数は \[\left\lfloor\frac{100}{3}\right\rfloor=\lfloor33.333\cdots\rfloor=33\] となる。小数点以下を切り下げる床関数に対して、小数点以下を切り上げる天井関数という下が欠けたホッチキスの芯みたいな記号\(\lceil x\rceil\)によって表されるものもある。高校数学では、\([x]\)をガウス記号と呼ぶが、床関数\(\lfloor x\rfloor\)や天井関数\(\lceil x\rceil\)と区別して扱うこともある。 ガウス記号って何?定義域によって式が異なる関数

定義を知る

「定義を知る」という文字が書かれた画像。
左に虫眼鏡、右に電球のイラストが添えてある。
倍数
ある整数に整数をかけてできる数
倍数の個数
ある範囲の中に含まれる倍数の個数

まとめ

「まとめ」という文字が書かれた画像。
指を指すスーツを着た男性のイラストが添えてある。
倍数の個数は、割り算を使うことで簡単に求めることができる。
  • \(1\)から\(N\)までの場合
    \(N\div k\)(小数は切り捨て)
  • \(A\)から\(B\)までの場合
    \(B\div k−(A−1)\div k\)(小数は切り捨て)
途中から数えるときは、「全体\(−\)前の部分」で考えるのがポイント。
小数部分(あまり部分)を切り捨てることで倍数の個数を求められる。
倍数の個数は、集合の問題や整数問題でもよく使われる重要な考え方なので、しっかり理解しておきたい。

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