解の公式の証明と「ん?」ってなったところ

2次方程式には、因数分解を使う解き方と解の公式を使う解き方がある。
そのうち、解の公式を使う解き方に登場する解の公式に注目してみる。
この解の公式はどうやって導き出したのかを、これから証明してみようと思う。

解の公式とは

解の公式はこれのこと。

解の公式の証明

まず、この式を変形していく。

ここまで変形することができた。
ここで、両辺を見比べると、平方根の関係であることが分かる。
つまり、

こんな感じになる。
あとは、「x=~」の形にしていく。

これで解の公式を証明することができた。

解の公式の2つの謎

解の公式を証明していく中で、すんなりと次に進めず、

ん?

となったところが2か所ある。
それが、

1.両辺は平方根の関係
2.文字の2乗の平方根

これ。
とりあえず、証明を追っていきながら謎の正体を見破っていこう。

解の公式の証明

ここまでは大丈夫。
ここで、両辺を見比べると、平方根の関係であることが分かる。

ん?

1.両辺は平方根の関係

つまり、こんな感じになるということなのだが…。

まず、平方根とは、
2乗するとaになる数」を、「aの平方根」って言い方をする。
例えば具体的な数字で考えると、

こんな感じの関係を、平方根の関係という。
なので、

ということができる。
「≧0」という範囲指定があるのは、数学Ⅰで扱う数の範囲実数の範囲だから。
これで1つ目の「両辺は平方根の関係」という謎が解けた。

あとは、「x=~」の形にしていくだけ。
なのだが…

ん?

2.文字の2乗の平方根

この②で文字の2乗の平方根が出てきている。
つまり、ルートの中に文字の2乗が入っている場合の処理をしないといけない。
単純に、

ではなく、

と、しなきゃいけない。
なので、

っていう感じに、「なぜ±を考えてないのか」という謎が発生した。
ちょっと文字とか式が多いから、見やすくするために、

と置き換えて進めてみる。

こんな感じになった。
まず、「±」というのは、「+」または「-」という意味。
つまり、

ということ。
ここで、

なので、

という感じになる。
ここでまたまた「±」が出てきたので、

ということになる。
本来はこれをすべて検討しなきゃいけない。
符号がどうなるのかを特に注目してみてみると、

こんな感じになって、

つまり、まとめると、

となる。こんな感じに、

と分かる。なので、

この式変形が成り立つことが分かる。
これで2つ目の「文字の2乗の平方根」という謎が解けた。

定義を知る

平方根2乗するとaになる数」を、「aの平方根」と呼ぶ。
±+または-

解の公式

まとめ

公式がどういう証明の下で成り立っているのかを知っておくと、万が一公式を忘れてしまったとしても、公式を導き出すことができる。
何より、証明をできるようになっておけば、公式の形を覚えやすい。
解の公式の証明はできるようになっておいた方が良いと思う。

1つ目の謎「両辺は平方根の関係」を解くためには、平方根の意味を知って、具体的な数字で確認すれば謎は解けた。「両辺の平方根を取る」というやり方もあったけど、「両辺の平方根を取るとはどういうことか?」ということを考えなくてはならないので、それはそれでちょっとややこしくなりすぎるから、「両辺は平方根の関係」を考える方が良い。

2つ目の謎「文字の2乗の平方根」を解くためには、±の意味を知って、すべての場合を検討すれば謎は解けた。

ちなみに、説明中の「→」の使い方は数学的には間違った使い方をしているが、説明のしやすさ的にそこはスルーさせて。

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