数学において共有点とは、2つ以上の関数や図形が共通して持つ点のこと。
つまり、それらのグラフや図形が交わる場所のこと。
特に、関数が描く曲線や直線が互いに交差する点、あるいは触れ合うだけの点(接点)、またあるいはグラフが重なっている状況である点(全ての点が共有点)のことを意味する。
直線と放物線が交わって貫き合う場合も、接してそのまま離れる場合も、どちらも共有点と呼ぶ。
共有点は、関数の性質を調べたり、方程式の解を求める際に重要な役割を果たす。

例えば、2つの関数\(y=f(x)\)と\(y=g(x)\)のグラフが\(xy\)平面上で交わる場合、その交点の座標\((x_0,y_0)\)が共有点となる。
このとき、\(f(x_0)=g(x_0)=y_0\)が成り立つ。
つまり、共有点は両方の関数が同じ\(x\)に対して同じ\(y\)の値を取る場所となる。
図形的なイメージで考えると、直線と円が交わる点や、2つの放物線が交差する点などが共有点となる。
例えば、直線\(y=x\)と直線\(y=-x+2\)のグラフを考えると、これらは\((1,1)\)で交わる。

この点が共有点であり、両方の直線の方程式を満たす座標となる。

2つの関数\(y=f(x)\)と\(y=g(x)\)の共有点を求める場合、
①\(f(x)=g(x)\)を満たす\(x\)の値を求める
②その\(x\)をどちらかの関数に代入して\(y\)を計算する
と考えていく。
さっきの例で、\(y=x\)と\(y=-x+2\)の共有点を求めると、
\(x=-x+2\)より、\(2x=2\)となり、\(x=1\)
\(y=x\)に代入して\(y=1\)
結果として、共有点は\((1,1)\)となる。
こんな感じに、共有点を見つけることは、2つの方程式を同時に解くことと同じになる。

この場合、共有点は\(y=0\)を満たす点、つまり2次方程式\(ax^2+bx+c=0\)の解に対応する。
これを求めるには、
①判別式\(D=b^2-4ac\)を計算する
②\(D\)の値によって共有点の数が決まる
・\(D\;\)>\(\,0\)のとき、2つの異なる実数解(2つの共有点)
・\(D=0\)のとき、1つの実数解(1つの共有点、接点)
・\(D\;\)<\(\,0\)のとき、実数解なし(共有点なし)
という流れになる。
例えば、\(y=x^2-4\)の場合、\(x^2-4=0\)より\(x=2,-2\)となり、共有点は\(D=16\;\)>\(\,0\)で2点\((2,0),(-2,0)\)となる。



交点は、グラフが互いに貫く点。
例えば、\(y=x^2\)と\(y=x+2\)は\((2,4)\)と\((-1,1)\)で交わり、2つの共有点を持つ。

例えば、\(y=x^2-2x+1\)と\(x\)軸は\((1,0)\)で接し、\(D=0\)で1つの共有点を持つ。

例えば、\(y=x^2+1\)と\(x\)軸は、\(D\;\)<\(\,0\)で共有点が存在しない。

また、幾何学では直線と円の共有点(最大2点)、円と円の共有点(最大2点)など、図形間の交点も共有点として扱われる。

共有点を求めることは、数学や物理、工学などで重要となる。
例えば、システムの平衡点や交差点を求める「方程式の解」、複数の条件が同時に成り立つ点を特定する「最適化」、関数の振る舞いや位置関係を理解する「グラフの解析」などなど。
現実的な例では、飛行機の軌跡が交わる時刻(衝突点)を共有点として計算したり、経済学で需要と供給の均衡点を求める際にも使われるらしい。
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2つ以上の関数や図形が共通して持つ点 | |
\(D=b^2-4ac\) |
解の公式の

ここが判別式。

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数学的には連立方程式の解に対応し、特に2次関数と\(x\)軸の共有点は判別式\(D\)でその数が決まる。
交点や接点として現れる場合もあれば、存在しない場合もあり、グラフの形状や位置関係を理解する鍵となる。
共有点を求める流れは、方程式を解く技術と視覚的なイメージを結びつけることで、理解を深めることが出来る。